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JapanRx / ED治療薬と前立腺がんのリスクに関連はなし?

ED治療薬と前立腺がんのリスクに関連はなし?

以前の研究では、ED治療薬が前立腺癌を発症する可能性を低減することができることが示されていましたが、泌尿器科学誌に発表された新たな研究では、これらの薬剤は、前立腺癌の予防においての役割は果たしていないことが分かりました。

 ED(勃起不全)は、60代で20%〜40%の有病率、70代では75%に迫ります。タダラフィル、シルデナフィル、およびバルデナフィルのような薬剤は、一般的にEDを治療するために使用されるホスホジエステラーゼタイプ5阻害剤(PDE-5is)と呼ばれています。

PDE-5isは1998年に最初に導入されて以来、EDを治療するための耐久性、安全性、および有効性が実証されています。

「インビトロのマウスでの研究では、これらの薬物は、抗癌活性があるかもしれないということが示唆されていますが、ヒトを対象とした治験での証拠が雑ざっています。」と、サミュエルオスチン総合癌研究所泌尿器科の主任研究員であるスティーブンJ. フリードランド博士は述べました。

「PDE-5iのこれらの薬剤は、抗癌活性を有することができるという可能性を考えると、我々はそれらの使用、および前立腺癌の発症リスクとの関連をテストしたいと考えています。」 4年間、前立腺癌のリスクのある前立腺肥大症の治療のために、日常的にデュタステリドの効果をテストし多施設共同試験を行ったREDUCE研究からのデータを使用して、著者らは、6,500人以上の患者によるED治療薬の使用が、全体的な前立腺がんの発症リスクに影響を及ぼしているかどうか、また、病気のグレード(グリーソン分類2-6と7-10)を分析しました。

REDUCE研究での全ての治験者は、グループ全体で均一な癌の評価がしやすいように登録後2年目と4年目に生検を受ける必要がありました。
このような形で、PDE-5Iと抗がん活性を結ぶ基礎科学を探求することができました。

6,501人の研究において、364人(5.6%)は、ベースライン時にPDE-5iを使用しました。
研究の期間、71人(19.5%)が前立腺癌と診断されましたが、PDE-5iを摂取しなかった6,137人中の1,391人(22.7%)に比べて、有意な差はありませんでした。

前立腺癌のグレード解析でもまた、PDE-5Iの使用と低または高悪性度の癌との間に相関は認められませんでした。

PDE-5iの使用は北米の男性の間で有意に高かったので、著者らは、地域的な効果を探りました。彼らは北アメリカの男性のED治療薬の使用と前立腺癌の低い診断率の間に何らかの相関関係を発見しましたが、これは統計的にも有意ではありませんでした。

「今後、より長期に渡るフォローアップとより大規模な集団での研究が行われることによりPDE-5Iと前立腺癌との関連性が確かなものとなります。」と、研究の筆頭著者のジュザージャマネゲワラ博士は述べています。

(記事元)http://medicalxpress.com/news/2016-08-link-erectile-dysfunction-drugs-prostate.html