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COVID拡大を遅らせるために接触追跡を採用する

パンデミックの早い段階で、韓国や台湾などの国は、COVID-19の拡大を阻止するため、接触追跡技術を導入していました。
しかし米国や欧州では状況が異なり、プライバシーの懸念や個人情報誤用の可能性から、モバイル端末ベースのテクノロジーで人の居場所を追跡することに対し、人々が不快感を感じていました。
こうした抵抗により、米国疾病対策センター(CDC)は、COVID-19感染者に直接接触した人たちに通知を行う従来の方法に依存していました。
公衆衛生当局が追跡技術を採用していない場合、彼らは最近の所在を正確に自己報告するために患者に頼らなければなりません。
公衆衛生当局が追跡技術を採用していない場合、患者の最近の所在について、当局は患者による正確な自己報告に頼らなければなりません。

ニューヨークタイムズ紙によると、州と地方の保健局は、COVID-19に曝された人々の特定作業を実施するために、CDCから110億ドルの資金を受け取ったといいます。
米国内で毎日何千人にものぼる感染者との接触者を特定することは、多大な労力を必要とする大規模事業です。

6月、米公共ラジオ局は、各州の保健局を調査したところ、全国で37,000人のコンタクト・トレーサー(接触追跡者)がいることが確認されました。
上記に加えてさらに約31,000人が利用可能になっているものの、この調査では、同国ではさらに最大100,000人の接触追跡者が必要であることが明らかになりました。
追跡チームには、各州の決まりに従った訓練を受けた、あらゆる職業からの採用者が含まれています。


<テクノロジーの力を利用する>

医療部門の人員が不足している場合、モバイルアプリを利用することでこれらの不足を補い、密接な接触者に通知を行うプロセスを簡略化することができます。
これを可能にするためにアプリに保存されたデータを利用する方法としては、集中型アプローチと分散型アプローチの2つがあります。

・集中型アプローチでは、中央のサーバーが、感染者と最近の接触者に関連するすべてのデータを、該当者が訪れた場所やその他個人情報と併せて保存します。

・分散型アプローチでは、感染者に関する情報のみが、メインデータベースに送信されます。接触者の情報は送信されず、感染者の近くにいたことが追跡によって判明した人々にのみ通知されます。

競合相手であるにもかかわらず、アップル社とグーグル社は共同で、Bluetooth技術を用いて中央サーバーに接続された、接触通知ツールを開発しました。
この接触追跡ツールキットは5月にリリースされ、その後、保健規制当局からのフィードバックに基づいて、改善が行われました。    
6月には、ユーザーがアップルおよびアンドロイド携帯のソフトウェア更新を実行した際に、検出ツールが利用が可能になりました。

CNETの報告によると、グーグル社は7月下旬に、アップル・グーグル共同サーバーを用いて構築されたアプリを提供するために、20の州と協力していることを発表したといいます。
最初の州はバージニア州で、テクノロジー企業のSpringML社が開発したアプリを229,000ドルで購入しました。
スレート氏によると、このアプリは、COVID-19と診断された人が傍を通り過ぎたときに、使用者に通知するために使用されるといいます。

このBluetoothを用いたサービスは『Exposure Notification System(曝露通知システム)』と呼ばれ、これまでにポーランド、アイルランド、デンマーク、ドイツ、イタリア、ラトビア、オーストリア、スイス、ジブラルタルで、アプリの作成に使用されています。


<成功の保証ない>

最初は、集中型アプリが使用され、ほとんど成功しませんでした。
MITテクノロジー・レビューのCovid接触トラッカーによると、47か国が接触追跡のためにアプリを使用し始めているといいます。
ただし、インドの一般情報をまとめたオンラインデータベースHow India Livesによると、情報は42か国でのみ利用可能で、42か国中17か国が集中型を利用しているといいます。

集中型アプリでうまく機能しなかった例として、今年6月にフランスで発売されたStopCovidアプリが挙げられます。
200万人がダウンロードしたこのアプリは、大きな突破口として歓迎されました。
3週間後、パフォーマンスレビューの結果、警告を受けたのは14人だけであったことがわかりました。
MITテクノロジー・レビューによると、同様にオーストラリアでは、Covidsafeアプリが600万回ダウンロードされましたが、接触追跡には影響しなかったといいます。
「多くの端末が検出されないのは、バックグランドでBluetoothが機能していないためです。これは、分散型アプローチを用いていないことが原因です。」

これらのアプリが機能しなかった理由について、ユニヴァーシティ・カレッジ・ロンドンでデジタルポリシーの教授を務めるマイケル・ビール氏は、MITテクノロジー・レビューに対して次のように述べています。
分散型アプリには、ドイツのCorona-Warn、イタリアのImmuni、アイルランドのCOVIDトラッカーが含まれます。
ただし、これらのアプリも、通知が滞る想定外の技術的な問題が起きたことにより、ほとんど成功していません。


<まとめ>

世界のほとんどの地域で、テクノロジーが効果的な追跡・通知ツールになるまでには、長い道のりがかかります。
MITテクノロジー・レビューは、接触追跡は、アプリに登録している人の数では定義できず、分散された送信経路の数で定義できると説明しています。
何よりも、カギとなるのは予防です。
自己隔離、マスクの着用、個人の衛生状態とソーシャル・ディスタンスの維持は、アプリの有無にかかわらず、個人レベルで重要となります。

出典 2020年8月10日更新 Medical Daily『Embrace Contact Tracing to Slow COVID Spread』 (2020年8月13日に利用)
https://www.medicaldaily.com/contacttracing-still-work-progress-us-what-you-need-know-455372