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COVID-19:今週の科学分野のトップ記事、糖尿病との新たな関連から、最近の北京のアウトブレイクまで

  • 中国は、北京で最近発生した集団感染におけるウイルスのゲノム配列を公開しました。
  • 初期の証拠では、一部の人はコロナウイルスによって糖尿病を発症する可能性があることが示唆されています。
  • 若者は、家庭内で感染するリスクが低いです。
  • イタリアの研究では、感染者の3分の2に典型的な症状が現れないことが示唆されています。
  • ゲノムデータにより、血液型A型のリスクが高くなる可能性があることが明らかになりました。
    
    
<中国が北京で発生した最近の集団感染のゲノムを公開>

中国は、最近首都で発生した集団感染の最中に、、北京で採取されたサンプルから得たゲノム配列データを公表しました。

ウイルスのゲノム配列は、COVID-19の診断と、世界中に拡大する新型コロナウイルスの蔓延と抑制について理解する上で、非常に重要であり、現在急速に発展しているツールです。

中国当局によると、世界保健機関(WHO)と全インフルエンザデータの共有に関するグローバルイニシアチブ(GISAID)の間で共有されている最新のゲノム配列により、ヨーロッパのウイルス株が特定されたといいます。
しかし、WHOは最新の集団感染の原因を理解するためには、さらなる調査が必要であると述べました。


<コロナウイルスが糖尿病を引き起こす可能性を示す証拠>

糖尿病は、重度のCOVID-19を発症する既知の危険因子であり、糖尿病を患う人は死亡率が高くなります。
現在一部の研究者は、糖尿病はコロナウイルスに対する人々の脆弱性を高めるだけでなく、ウイルスが糖尿病を引き起こす可能性もあるという考えを追求しています。

組織の研究や一部のCOVID-19患者より得られた初期の証拠では、新型コロナウイルスが血糖値の調節に重要な役割を果たすインスリン産生細胞に損傷を与えることが示されています。

ごく一部のCOVID-19患者が自然発生的に糖尿病を発症し、血糖値と肝臓の脂肪性沈着物から生成されるケトンが極度に上昇した十数人が病院に運ばれています。
体が糖を分解するのに十分なインスリンを産生できない場合、代わりの燃料源としてケトンが使用されます。

実験室で作成された小型の膵臓を対象とした実験から得られた調査結果では、ウイルスがインスリン産生細胞に損傷を与えることで、糖尿病を引き起こす可能性が示唆されています。

しかし、ウイルスと糖尿病の発症との因果関係を証明するには、研究者によって十分に構築された疫学的コホート研究と、さらなる実験室実験が実施される必要があります。


<若者は密接な接触による感染から守られている>

フロリダ大学と中国の疾病管理予防センターの科学者が率いる新しい研究によると、20歳未満の人は、高齢者と比較して、感染した同居家族から新型コロナウイルスに感染する可能性がはるかに低いといいます。

チームは、中国の広州市の感染者と密接な接触があった人々のウイルス感染を分析しました。
公衆衛生当局が感染者の隔離、および接触者の隔離を実施した後、20歳未満の人々は、家族から感染するリスクが5.2%であったのに対し、20〜59歳の人のリスクは14.8%、60歳以上の人のリスクは18.4%となりました。

また研究者らは、COVID-19の感染者は、症状が出る前も、少なくとも感染後と同程度の感染力があり、無症候性および症状発症前の患者によってウイルスが拡大しているという証拠の裏付けがまた一つ増える形となりました。

出典 2020年6月29日更新 World Economic Forum『COVID-19: Top science stories of the week, including new diabetes link and the latest Beijing outbreak』 (2020年6月30日に利用)一部抜粋
https://www.weforum.org/covid-action-platform/articles/covid19-top-science-stories-diabetes-beijing