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AHA News:肥満、その他の要因が脳の老化を加速させる

2019年11月21日(アメリカ心臓協会ニュース)- 中年の脳は、肥満または心血管疾患に関連する他の要因がある場合、早期に老化する可能性があることが新しい研究でわかりました。

成人のほぼ4分の1がメタボリックシンドロームだと言われています。

メタボリックシンドロームは、心臓病、糖尿病、脳卒中などの病気のリスクを組み合わせて増幅する一連の要因です。

新しい研究において参加者は、次の2つ以上の要因がある場合で、代謝的に不健康であると見なされました。

高血糖

高血中トリグリセリドレベルもしくはHDL(善玉コレステロール)の低レベル

または糖尿病、高血圧、コレステロールの薬を服用している場合

 

研究者は、磁気共鳴画像法と思考スキルのテストを使用して、37歳〜55歳の2,100人を超える女性と男性を評価しました。

アメリカ・ボストンにあるハーバード大学医学部のベスイスラエルディーコネスメディカルセンターの臨床研究主任であるレベッカ・アンゴフ博士は、次のように述べています。

「これは公衆衛生に影響を及ぼします。代謝の健康不良は脳の健康不良とも関連しているためです。この研究は医療従事者が患者にライフスタイルを変えさせ、患者の早期予防に取り組むよう説得するさらなる弾みとなります。」

予備研究は今週、フィラデルフィアで開催された米国心臓協会の科学セッションで発表されました。

研究の参加者には、「フラミンガム心臓研究」の一部として心血管疾患リスクの数十年にわたる調査が行われました。

彼等には糖尿病や脳卒中や認知症などの神経学的な症状はありませんでした。

代謝的に不健康な人々の間で、MRIにより代謝的に健康な人々で測定されたよりも脳の総脳容積が低い(本質的に脳がより小さい)ことが明らかになりました。

 

脳の体積の低下は脳全体の損傷の兆候であり、ニューロンと支持細胞の損失につながるとアンゴフ博士は述べました。

 「老化、血流の低下、アルツハイマー病などの病気は、脳を小さくする可能性があります。」

代謝的に不健康で肥満であった参加者は、脳全体の重要なつながりを提供する組織である脳の白質にわずかな損傷の兆候がありました。

初期のアルツハイマー病に関連しているこれらの損傷は血管の異常に起因し、高血圧や糖尿病などの危険因子が原因である可能性があるとアンゴフ博士は述べました。

認知テストでは、肥満はより低いスコアと関連していました。

具体的には、肥満であるものの代謝的には健康な人は、思考能力の6つのテストの組み合わせ、および言語的な記憶と抽象的な推論を測定する個々のテストが悪化していました。

肥満で代謝的に不健康な人では、抽象的な推論と視覚的詳細と空間記憶を測定するテストでは低得点でした。

研究者によると、MRIと認知検査の結果の違いは、脳の老化においての初期の微妙な兆候を反映している可能性があります。

「この無症状の脳の老化は、臨床的に目に見える認知機能の低下の兆候である可能性がありますが、これらの所見が日々の機能に影響を与えるかどうかは不明です。」

とアンゴフ博士は述べました。

少なくともBMI(ボディマス指数)が30あるという基準に基づくと、アメリカ人10人中4人が肥満と見なされます。

これは、5.4フィート(160cm)の身長、体重175ポンド(79キロ)、5.9フィート(179cm)、体重200ポンド(90キロ)の男性に相当します。

BMIは一般的に肥満と健康リスクを測定するために使用されますが、この研究に関与しなかった研究者であるジュディス・ワイリー・ロセット氏は、健康指標として人々の腰と高さの比率またはウエストライン測定に焦点を当てることに興味があると述べました。

それは、人の体重に関係なく、胴囲が大きいことは腹部の臓器周辺の脂肪蓄積の兆候である可能性があり、それが肝臓に影響を及ぼしたり、他の代謝異常に関連する可能性があるためです。

ニューヨーク市のアルバート・アインシュタイン医科大学の健康行動研究および実装科学の教授兼部門長であるワイリー・ロセット氏は、心臓の健康が脳の健康と密接に関係しているという証拠が増えつつあると述べました。

そのため、心血管リスクを低減するための生活スタイルと医療介入は、認知症のリスクも低減する可能性があると彼女は述べています。

 

特に、果物や野菜、全粒穀物、魚、不飽和脂肪を多く含む食事は、脳の健康を促進することがわかっています。

また、50歳以上の人を対象とした研究では、定期的で適度に激しい身体活動が脳機能を改善できることが示されています。

大きな人口を占めるベビーブーム世代が高齢者となり、精神的に衰弱するリスクが大きくなるにつれて、脳の健康を維持することがますます緊急課題となっています。

 「米国の人口の高齢化に伴い、健康的な食事と身体活動を促進するキャンペーンは、「ベビーブーマー世代」の記憶力の喪失という予測を減らすことができるでしょうか?」

とロセットは述べました。

 

【以下のリンクより引用】

AHA News: Obesity, Other Factors May Speed Up Brain Aging

HalthDay