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7月末の2週間で少なくとも9,7000人の子供達がコロナウイルス陽性となっている

米国小児科学会および小児病院協会が実施した、州レベルのデータに関する新しいレビューによると、7月の最後の2週間の期間に、少なくとも97,000人の子供がコロナウイルス陽性であったといいます。
この数字は、国内の累積的な子供の合計症例数から見て、40%の急増に値します。

「これは子供が感染し、感染を拡大する可能性があることを示していると思います」と、コロラド小児病院の小児感染症専門医であり、アメリカンアカデミー小児感染症委員会副委員長のショーン・オリアリー博士は述べています。

この報告は、全国の学校が安全な再開方法について取り組む中で発表されました。
そして、学校再開に関する決定は、ますます政治化されてきています。

トランプ大統領は連邦資金を差し控えると脅迫することで、全国の幼稚園から高校までの学校を再開するよう圧力をかけようと試みており、先週行われたFox&Friendsのインタビューでは、次のように誤った主張をしています。
「子供はほとんど、私の考えではほぼ間違いなく、この感染症に対する免疫がほとんど備わっています」

この新たな報告では、実際に子供達が感染症への免疫を獲得していないことが、繰り返し述べられています。

パンデミックが始まって以来、少なくとも34万人の子供たちがコロナウイルスの陽性反応を示しており、これまでの米国の症例のおよそ9%を占めています。

報告によると、子供の症例増加は、主にミズーリ州、オクラホマ州、ジョージア州、フロリダ州、モンタナ州、アラスカ州を含む南部および西部の州で見られたといいます。

報告には、いくつかの重要な注意事項が含まれています。
症例数の増加は、部分的には検査数の増加によるものです。
また、州によって「子供」の定義も異なります。
データ報告の際、大部分の州で0-17歳もしくは0-19歳の年齢範囲が用いられますが、テネシー州とサウスカロライナ州では20歳まで子供にカウントされます。
アラバマ州では、区切りの年齢は24歳となっています。
また、同報告によると、ニューヨーク州とテキサス州からの報告が不完全であるため、子供たちの陽性検査の数は、これよりもはるかに高くなる可能性もあります。
実際、テキサス州では、年齢分布が提供されているのは全COVID-19症例のわずか8%であり、報告に含まれた調査結果の多くから除外されることとなりました。

このような報告の中に良いニュースがあるとすれば、子供の感染率が上昇しているにもかかわらず、ほとんどの子供はこの感染症が重症化しないこと、そして入院データが報告された州の中で、現在、小児の入院率は2%と低いままであるということです。
まだ明確にわかっていないことは、学校の中で子供たちが、友人やクラスメートだけでなく教師や学校スタッフに対し、ウイルスをいかに効果的に感染させるかということです。

韓国のデータによると、10歳未満の子供はウイルスを拡大させにくい可能性があるものの、10代の子供は、おそらく大人と同じくらい効果的に拡大させることができるといいます。



米国疾病予防管理センターは、学校の再開を検討している学校に、以下の事例を引用し注意を呼び掛けています。
6月下旬、この感染症は、ジョージア州のキャンプ場のスタッフと子供たちの間で急速に拡大しました。
ほんの数日で、少なくとも260人のキャンプ場宿泊者と10代のスタッフが陽性反応を示しました。
興味深いことに、検査を受けた宿泊者のうち、6歳から10歳の最年少の宿泊者が最も高い感染率を示しました。
51%から陽性反応が出たのです。

この数週間で、全国の学区が今秋の計画を発表しています。
先週、シカゴは最近コロナウイルス罹患率が急増したため、未だ生徒を学校に戻すことを許可していない、最新の大都市となりました。

シカゴ公衆衛生局の委員であるアリソン・アーワディ博士は次のように述べています。
「シカゴは国内の他の多くの地域よりは良い状況にありますが、最近の傾向は非常に懸念されています。」

しかし、多くのコミュニティでは、学校再開の決定は、地方の公衆衛生状況ではなく、政治によって進められています。
フロリダとテキサスでは、一部の公衆衛生担当官が、学校を直ちに再開することへの意欲を声高に主張してきた州の主導者によって追いやられたと報じられています。

ブルッキングス研究所のジョン・ヴァラント氏は、学校の再開計画と地域の投票傾向に関する最近のレビューで、再開の決定と郡の1人あたりの新規COVID-19症例数との間に、統計的に関係がないことを発見しています。
代わりに、同氏は「平均して、学校再開計画を発表している地区は、2016年に55%がトランプ氏に投票した郡に位置しているのに対し、オンライン学習のみの計画を発表している地区の投票率は35%となっている」ことがわかったと述べています。

先週、ジョージア州のノース・ポールディング高校の生徒が、学校の廊下が人でいっぱいになっており、フェイスカバーを着用している生徒はほとんどいない様子を映したビデオを投稿しました。
地区は感染率が比較的高いアトランタの郊外にありますが、学校は先週、対面教育を再開していました。
しかし今週末、同学校では、6人の生徒と3人の学校スタッフがコロナウイルスに陽性反応を示したため、学校を消毒する時間を設けるため、対面式のクラスが一時的にオンライン授業に移行したと報じられています。

上記の出来事は、他の全学校にとって何を意味するのでしょうか?

オリアリー博士は、以下のように述べています。
「ウイルスが本当にうまく制御されている場所では、ウイルスの影響を軽減する措置が講じられている限り、学校を再開してもかなり安全だと思います。リスクがゼロになることは決してないでしょう。」

ニューヨーク市は、より多くのコミュニティが安全ガイドラインに従い、感染率が劇的に低下したことで、コロナウイルス検査の陽性率が1%となったため、この秋に学校を一部再開する予定の学区の代表例となっています。

しかし、ウイルスが依然として拡大している地域では、上述の新しいデータは、学校を再開することは安全ではないかもしれないという、重要な注意喚起として機能します。
コロナウイルスが地域社会で蔓延している場合、生徒やスタッフが学校にウイルスを持ち込むことは避けられない、オリアリー博士は述べています。

出典 2020年8月11日更新 NPR『At Least 97,000 Children Tested Positive For Coronavirus In Last 2 Weeks Of July』(2020年8月19日に利用)
https://www.npr.org/sections/coronavirus-live-updates/2020/08/11/900861372/at-least-97-000-children-...