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50万人もの喘息患者が食べ物と命を救う薬の「不可能な選択」を迫られている

130万人の喘息患者が、費用のために吸入器の使用を断念した経験があることを認めています。

新しい統計では、50万人もの喘息患者が、食べ物か命を救う薬かの不可能な選択肢に直面していることが示されました。

研究者らは、イングランドの喘息患者の3分の1以上が、薬を買うために食料品を削減したことがあると認めていることを見出しました。

また、約10万人が、処方薬の代金を支払ったことで子供の学校の制服を買う余裕がなくなったと言っています。

この研究を発表した英国喘息慈善団体(Asthma UK)は、政府に喘息患者の処方量を撤廃するよう求めています。

この慈善団体は、イギリスに住む糖尿病やてんかんなどの長期疾患患者は処方料が免除されている一方、イングランドの喘息患者が命を救う薬にお金を払わないといけないのは不公平であると述べています。

そしてこれは、年収2万ポンド(約285万円)以下の低所得で給付の受給資格がない人たちにとって最も大きな打撃となっており、10人に9人が薬を買うのに苦労しているといいます。

事実、以前の研究では、喘息患者の半数以上(推定130万人)が費用を理由に薬を服用しなかった経験があることが明らかになっています。


- 「光熱費を支払う余裕がなかった」
ロンドン北西部に住むテネシャ・ロバートソン氏(36歳)は、喘息患者が薬を買うために難しい選択を迫られることを身をもって知っています。

3人の子を持つシングルマザーであるロバートソン氏は、処方薬の代金を支払うために光熱費や暖房費を削減する必要があったと言います。

彼女は次のように話しています。
「昨年、喘息の処方薬を買うために光熱費の支払いを遅らせたり、冬の間の暖房を減らさねばなりませんでした。」

「薬代を払うために、ガス代や電気代を支払う余裕がありません。」

「自分の吸入器を買い替える余裕がないため、喘息発作が起きそうな時は息子の吸入器に頼るしかありませんでした。」

「大きな罪悪感を感じましたが、私は既に喘息のために何回も仕事を休んでいたため、また体調を崩すリスクを犯すことができませんでした。」

「喘息患者が処方薬の代金を支払わなければいけないというのは、本当に不公平であると感じます。喘息は深刻な症状であり、命にかかわる可能性もあるのです。」

「命を救う薬を買うか、暖房を使用するかどうかという不可能な選択を迫られるような立場に置かれるべきではありません。」


- 変化を求める
政府は、一定費用で所定の期間内に必要なだけの処方薬を得ることができるようになる定期券である、前払い証明書(PPC)の取得を提案しています。

しかし、低所得者のほぼ半数と処方薬を購入する喘息患者の4分の1が、PPCを購入する余裕はないと言っています。
Asthma UKは、この処方薬に関する50年前に制定された法律は時代遅れであり、政府は喘息患者の入院を回避するために変化を起こす必要があると述べています。

Asthma UKの研究および政策担当指導者であるサマンサ・ウォーカー博士は、次のように述べています。
「何百何千もの喘息患者が、食べ物や光熱費のような必需品を減らしたり、命を救う薬の服用を減らすなどの不可能な選択を迫られているという厳しい現実があります。」

「喘息患者は処方薬の費用を支払うのに苦労しており、約100万人が費用のために薬の服用を控えています。これにより、入院や喘息発作による死亡リスクにさらされます。」

「喘息は生涯にわたって命を脅かす疾患であり、これは仕事をする大部分の間薬の服用が必要となる可能性を意味します。」

「その他の長期疾患患者は処方料を支払う義務が無いにもかかわらず、喘息患者が処方薬の代金を支払わなければいけないというのは容認できません。呼吸をするために費用がかかることはあってはならないのです。」

出典:2019年5月3日更新 The Sun UK 『Half a million asthma sufferers face ‘impossible choice’ between food or life-saving drugs』(2019年5月8日に利用)
https://www.thesun.co.uk/news/8989910/asthma-sufferers-choose-food-life-saving-drugs/