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隠れた帯状疱疹の脅威

帯状疱疹(HZ)は、通常、痛みを伴う皮膚発疹が出現した際に診断されます。

ただし、まれに発疹が出ないことがあります。

それは、無発疹帯状疱疹と呼ばれる状態です。腸管帯状疱疹などがそれにあたります。

エンテロンとは、消化管、つまり口から肛門まで伸びる管の医学用語です。

腸管帯状疱疹は、食道、胃、小腸および大腸など体内の管状器官に沿ったある点で発生する帯状疱疹のひとつです。

良く知られているのが、水帯状疱疹ウイルス(VZV)が脊髄神経と脳神経の後根にある感覚神経細胞でのみ再活性化することでした。

「現在わかっているのは、ウイルスが体の他の部位の神経細胞、いわゆる自律神経と腸神経系にも潜伏していることです。」

と、コロンビア大学の病理学および細胞生物学科の教授で神経細胞学者であるマイケル・ゲルション博士は言います。

ゲルション博士と彼の妻である小児科医のアン・ゲルション博士は、VZVとその腸神経系への影響に関する調査結果を発表しています。

彼らは、ウイルスが皮膚に投射するニューロンで再活性化すると、はっきりした発疹が生じることに注目しています。

しかし、腸のニューロンで再活性化すると、痛みを伴う胃腸障害を引き起こす可能性があります。

「発疹がない場合、帯状疱疹を疑う人はいません。」とゲルション博士は説明します。

診断をさらに複雑にするのは、腸管帯状疱疹が単独で発生する可能性があり、VZVが後根および脳神経で再活性化するときにも発生する可能性があることです。

そういった場合、患者は帯状疱疹の発疹と同時に腹痛を起こします。

原因不明の慢性腹痛は、腸管帯状疱疹の最も一般的な症状です。

「高齢の人や免疫不全である人は、腸内で水帯状疱疹が再活性化した結果として疑似閉塞が発生することもあります。」とゲルション博士は言います。

「炎症性腸疾患に関連していることもわかりました。そしてクローン病患者の内臓に帯状疱疹が見つかったこともあります。」

ゲルション博士によると、ワクチン未接種の成人の腸管帯状疱疹は、通常、VZVの野生型株によって引き起こされます。

彼はまた、小児期に水痘ワクチンを1回だけ接種した人々の中でもそれが診断され、そのような場合、帯状疱疹が発生すると、野生型ウイルスがワクチンウイルスに置き換わりました。

重度の痛みと胃腸障害は腸管帯状疱疹の悲惨な兆候であるため、早期診断が重要です。

診断は、VZV のDNA唾液検査を通じて確定されます。

確定された場合は、通常の腸管帯状疱疹はアシクロビルによる一連の治療によく反応します。

ゲルション博士は、多くの医師は腸管帯状疱疹を認識するように訓練がされていないため、症例は診断されていない可能性があると言います。

彼は、特にプライマリケアを行う医師と相談し、腸管帯状疱疹の可能性があることを提案することで、地域の薬剤師が、特に患者が腸の痛みに苦情を訴えている場合には、その疾患の特定に役割を果たすことができると述べています。

 

【以下のリンクより引用】

Enteric Zoster: Hidden Shingles Threat

MH life science