電話: (050) 5534-5772

平日09:30~18:30(日本時間)

JapanRx / 過度の疲労は心臓にダメージを与える

過度の疲労は心臓にダメージを与える

燃え尽き症候群(過度の疲労)はエネルギーを消耗し、いらいらさせ、精神的健康に打撃を与え、キャリアの妨げとなることがあることは良く知られています。
しかし、過度の疲労は、心臓にもダメージを与える可能性があることが明らかになりました。
European Journal of Preventive Cardiologyで発表された最近の研究では、燃え尽き症候群の発症頻度が増えると、心房細動またはAFibとして知られる命に関わる不整脈が生じることがあり、これは血栓や脳卒中、心不全、その他心臓関連合併症の原因となることが判りました。

7,500人近くの正社員労働者を対象に行った2018年のGallupの調査によると、「従業員の28%が非常に頻繁に、または常に燃え尽き症候群の状態であると報告し、さらに44%は時折燃え尽き症候群の症状があると報告した」といいます。
加えて、ミレニアル世代は「燃え尽き症候群世代」と呼ばれ、元々仕事であった燃え尽き症候群の原因は、就職活動のストレスやギグ・エコノミーへの対処、学生ローン債務、および一般的な社会のストレス要因まで拡大しており、慢性燃え尽き症候群の問題は収まる気配がありません。

この研究では、25年近くにわたって11,445人の過度の疲労や怒り、抗うつ薬の使用、社会支援の不足といった兆候を調べました。
結果、最高レベルの疲労を報告した人は、疲労レベルが低い、または全く疲労が無いと報告した人と比較して、AFibの発症リスクが高いことが示されました。
最も疲労レベルの高かった被験者の20.7%がAFibを発症したのに対し、最も疲労レベルが低かった被験者の発症率はわずか18.2%でした。

研究結果が臨床的に意味があるかどうかは医師によって意見が分かれていますが、アメリカでは過度の疲労を感じる人の数が増加しており、燃え尽き症候群がその人の健康に与える影響は、医学的懸念材料で有り続けています。
燃え尽き症候群は1250億ドルから1900億ドルの医療費の発生原因となっており、(AFibを発症するリスクの増加に加えて)2型糖尿病、胃腸障害、高コレステロール、さらには45歳未満の人の早期死亡にも関わっています。
同様に、National Alliance on Mental Illness(NAMI)によると、アメリカでは毎年、深刻な精神疾患により1932億ドルの損失が出ているといいます。

アメリカの企業も、これに注目し始めています。
アメリカでは従業員の推定30%が毎年メンタルヘルスの問題を経験しており、不安やうつ病が原因で、国民の年間累積労働日数が8,000万日減少しています。
さらに、精神疾患とそれに続く薬物乱用により、アメリカ企業は年間推定2258億ドルの費用を捻出しています。

更なる研究が必要であることは明らかであるものの、それまでの間、問題が慢性化する前に、企業と個人ができる、燃え尽き症候群の発症リスクを減らすための対策があります。
職場での燃え尽き症候群は、次の4つの重要な要因と結びついている可能性があります。

  • 仕事の負担と意思決定権の低さの組み合わせ
  • 努力と報酬のバランスが取れていない
  • 同僚および/または雇用主からの支援不足
  • 職の不安定さ

企業がこれら4つの要因に対処し始めれば、労働者の満足度は上がり、燃え尽き症候群は減少します。

個人においては、燃え尽き症候群に日々対処するための簡単な方法がたくさんあります。
例としては、以下があります。

  • 有酸素運動の増加
  • 瞑想、ヨガ、深呼吸などのマインドフルネステクニックの実践
  • セルフケア、ポジティブな独り言、セルフ・コンパッションの実践
  • 信頼できる人に、自身の不安やストレスについて話す(セラピストでも、親しい友人や家族でも構いません)
  • 毎日少し自分の為の時間を作る

出典2020年1月19日更新 Forbes『Burnout Can Hurt Your Heart, Literally』(2020年1月30日に利用)
https://www.sharecare.com/health/gout/there-different-stages-of-gout