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脳卒中を起こすとアルコール依存症になる?

オープンアクセスの学際的電子ジャーナルScientific Reportsに掲載された研究によると、脳卒中後の脳の変化により、患者はアルコール依存症になりやすくなるといいます。

この研究では、中大脳動脈で起こる一般的な種類の脳卒中を患った後のラットは、水よりも多くのアルコールを好んで飲むことがわかりました。

研究者らは、これは報酬と意思決定において重要な脳の領域である背側の線条体における神経細胞死が、D1と呼ばれるドーパミン受容体を興奮させるためであると考えています。
ヒトにおいてこの受容体は、アルコールの摂取など、その人が思いを巡らせていることを強制的に実行させることが示されています。

同研究の共同筆頭執筆者であるFarida Sohrabji氏は、次のように述べています。
「虚血性脳卒中では、脳への血管が塞がれ、脳内の神経細胞からグルコースと酸素が奪われます。神経細胞はこれら2つの栄養素に大きく依存しており、これがないと、神経細胞は急速に死に向かいます。」

D1受容体が阻害されると、アルコール探索行動は「大幅に」減少しました。

この研究の別の共同筆頭研究者であるJun Wang氏は、次のように述べています。
「これは脳の機能方法におけるヒントです。前途遼遠ではありますが、D1受容体を阻害する何かが、脳卒中後の飲酒欲求に抗う助けとなる薬の治療標的となる可能性があります。」

「脳卒中は重度の病気ですが、最初の脳卒中を経験した後に生存し、回復する人が増えているため、これは重要です。
したがって、脳卒中後の行動の変化や、その行動が多くの場合致命的となる次の脳卒中発生率にどのような影響を及ぼし得るのかについて研究を行うことが重要です。」

脳卒中患者は、再発防止のためにアルコール摂取を制限することが推奨されています。
この研究は、脳卒中による損傷が飲酒を促すことが実証されました。
これらの発見は、脳卒中からの回復中に禁酒が困難になるという事例報告の説明となるかもしれません。

出典:2017年6月5日更新 Health Spectator UK『Can having a stroke turn you into an alcoholic?』(2019年4月29日に利用)
https://health.spectator.co.uk/can-having-a-stroke-turn-you-into-an-alcoholic/