肺以外の臓器系に対するCOVID-19の影響についての包括的なレビュー

COVID-19パンデミックの初期の頃は、この病気は、主に肺に影響を与えるインフルエンザのような呼吸器感染症として特徴付けられていました。

現在、医師はコロナウイルスが全身の臓器に影響を与える可能性があることを認識しています。

ベスイスラエルディーコネスメディカルセンター（BIDMC）とコロンビア大学アーヴィングメディカルセンターの医師は共同で研究を行い、研究者と臨床医は、COVID-19が肺以外の臓器系に及ぼす影響に関する最新の調査結果について、広範なレビューを行いました。

Nature Medicine誌で発表された彼らのレビューは、これらの広範囲にわたる全身的効果の背後にある提案されたメカニズムを要約し、医師に臨床ガイダンスを提供しました。

「世界中の科学者が、このウイルスが通常は保護的である人体の生物学的メカニズムへ侵入する方法を理解するために前例のない速さで取り組んでいます。

私たちのレビューが、この病気で影響を受ける臓器系の検討に、研究の優先順位と治療戦略を開発しながら医師、看護師、および、COVID19の患者の治療に当たるその他の医療従事者のための包括的なリソースになることを願っています。」

と、共著者でありBIDMCのがんセンターで血液学/腫瘍学のフェロー研究員であるカルティック・セーガル氏は述べました。

COVID-19患者のケアに関する彼ら自身の経験と科学文献の最近の報告に基づいて、臨床医のチームである、コロンビアの心臓病学フェローであるアークリティ・グプタ医学博士とマヘシュ・V・マダヴァン医学博士、そして、執筆者であるコロンビア大学アービングメディカルセンター医学部長のドナルド・ランドリー医学博士は、コロナウイルスが体を攻撃する可能性のある無数の前線を描いています。

重度の COVID-19に関連している重度の呼吸困難を超え、現在、医師は、またウイルスが心臓発作、腎不全、凝固障害の患者のリスクを高める可能性があると報告しています。

患者の約3分の1で、頭痛、めまい、疲労、嗅覚喪失などの神経学的症状が発生することがあります。

また、 COVID-19の重症例の患者では、血栓とせん妄による脳卒中のリスクもあります。

「医師はCOVID-19を多系統疾患と考える必要があります。」

とグプタ氏は述べました。

 「血液凝固については多くのニュースがありますが、これらの患者のかなりの割合が腎臓、心臓、脳の損傷を受けていることを理解することも重要です。」

科学者は、これらのさまざまな合併症はすべて、免疫系が体へのウイルスの攻撃、特に血管にかかわる細胞への攻撃を阻止しようとするときに発生する全身性炎症に起因すると考えています。

ウイルスが血管細胞を攻撃すると、炎症が増加し、血液は大小の血栓を形成し始めます。

これらの血栓は体中を行き来し、臓器に大混乱をもたらし、悪循環が永続します。

さらに、免疫系の下流のメッセンジャーシグナルは、重症の場合には制御不能になり、これらの広範な影響の一因となることがあります。

「COVID-19で入院中に合併症を起こした患者についての将来的な研究は非常に重要です。」

とマダヴァン氏は述べました。

「このウイルスが、これらの他の体内システムにもたらした重大な影響は驚くべきことでした。」

このサイクルを打破することは、COVID-19の重症例の患者を治療するための有望な方法かもしれません。

最近の臨床試験では、デキサメタゾンと呼ばれる、免疫系の抑制に世界的に使用されているステロイドは、換気が行われた患者の死亡を3分の1に減らしました。

「これは比較的新しいウイルスであり、私たちはまだその長期的な影響については学んでいる途中です。」

とセーガル氏は述べました。

 「COVID-19が体の複数のシステムに関与しているという認識は、入院中のこれらの患者の最適なケア、および退院後の包括的なフォローアップ方法を開発するために重要です。」

 

【以下のリンクより引用】

A comprehensive review of COVID-19's effect on organ systems outside the lungs

News Medical Net