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JapanRx / 米国都市部では、人口密度が高いとCOVID-19の拡大速度が速まることは示されていない

米国都市部では、人口密度が高いとCOVID-19の拡大速度が速まることは示されていない

私たちがウイルス発生の震源地について考える時、人口密度の高い都市のイメージが思い浮かびます。
都市では人と接触したり関わる可能性がはるかに高くなるため、これは当然のように思われます。

一方で、人の多い都市には、大勢の治療を行えるより優れた医療施設やシステムが整備されていることがあります。
人口密集エリアの保健当局にとっては、より強力なソーシャルディスタンス政策を実施し、人々の認識を素早く広めることは容易です。
また自宅待機政策が実施されている期間は、隣人間や家族間で、精神的に支え合うことができます。

ジョンズ・ホプキンズ大学ブルームバーグ公衆衛生大学院が実施した最近の予備調査によると、人口密度の高い群は、人口密度の低い群と比較して、COVID-19感染率が低かったといいます。
これは恐らく、人口密度の高い地域はより発達している傾向にあることが理由であると考えられます。
驚くべきことに、研究者らは、群が経済的及び社会的に大都市と統合された場合、パンデミックによる影響を受けやすくなることを見出しました。

同研究は、ブルームバーグ公衆衛生大学院環境医学・環境工学学部、環境問題における米国保健での助教授を務めるシマ・ハミディ氏が主導し、6月18日にJournal of the American Planning Associationに掲載されました。
この研究では、1月20日から5月25日にかけて、全米913個の大都市群を対象とした分析が行われました。
同分析はデモグラフィック変数と医療インフラのバランスを取り、構造方程式モデリングを用いて実施されました。

また、研究者が「活動密度」と呼ばれる、特定の場所の移住者および労働者の密度によって表される数字を計算した際も、COVID-19感染率が大幅に高まることはないことが判りました。
年齢や体のサイズ、教育、人種を考慮し、活動密度を2倍にすると、死亡率が11.3%減少したことが判りました。
逆に、活動密度が増加した地域における死亡率は予想よりも高くなりました。

「人口密度がウイルス感染率とは無関係であり、COVID-19による死亡率と反比例するという事実は重要であり、予期せぬ結果であり、深い意味を持ちます。データや分析が不足すると、人口が郊外へ移動することで、現代都市の基盤に問題が生じる可能性が示唆されています。」と、ハミディ氏は語りました。

「確かに、パンデミックは、質の高い医療にアクセスしづらい人口密度の低い地域では、より致命的な影響がでることがわかりました。」

研究者は今後数カ月に渡り、世界の保健危機の進行に応じて、データを更新し続ける予定です。
また、彼らは現在、群の人口密度と死亡率の関連に関する縦断研究をまとめています。

出典 2020年6月22日更新 Medical Daily『High Population Density In Urban America Does Not Indicate Faster Spread Of COVID-19』(2020年6月23日に利用)
https://www.medicaldaily.com/high-population-density-urban-america-does-not-indicate-faster-spread-c...