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科学者はコロナウイルスと免疫に関する謎を解き明かそうとしている

コロナウイルスに対する免疫系の反応を理解するための新しい取り組みが進行中です。

英国にある17か所の研究センターの科学者らが、免疫が持続する期間や、疾患の重症度が大きく変動する理由といった疑問に答えようとしています。

新たに開設された英国コロナウイルス免疫学コンソーシアム(UK-CIC)は、免疫について学ぶことが、このウイルスとの戦いに役立つと述べています。

同団体は、英国リサーチ・イノベーション機構(UKRI)と国立保健研究機構(NIHR)から650万ポンドを受け取っています。

UK-CICの研究チームの1つを率いるユニヴァーシティ・カレッジ・ロンドンのウイルス免疫学者であるマラ・マイニ教授は、次のように述べています。
「ウイルスに対する私たちの免疫反応は、感染時の反応や、急性感染症を発症した際の重症化度合い、感染症にかかった後に感染保護効果を発揮する期間、ワクチンへの反応等すべてを決定しています。」

「免疫系は、このウイルスへの反応の鍵となる、すべてのものの根底にあります。」

このウイルスが最初に発生して以来、科学者たちは、私たちの体が感染にどのように反応するかについて理解しようと互いに競い合っています。

マイニ教授は、軽度から中程度のCOVID-19症例では、免疫反応は「教科書」のようであると言います。

同氏は次のように説明しています。
「複雑な免疫系の適切な構成要素すべてが、うまく連携しているようです。」


<より重症な症例>

しかし、このコンソーシアムは、より深刻な症例で免疫系が果たす役割を見つけたいと考えています。

同団体はまた、免疫の持続期間に関する疑問を解明しようとしています。
今週、香港の研究者により、文書化された最初の再感染例が報告されました。

UK-CICの主任研究員であるバーミンガム大学のポール・モス教授は、「数百万件中最初の症例であるため、冷静な目で見る必要がある」と述べています。

同氏は、コロナウイルスに対する免疫反応が時間とともに衰えているように見えることが懸念されると述べています。

しかし、この男性が2回目に感染した際、症状が表れなかったという事実は、免疫系が病気の予防に効果的である可能性があることを示唆しています。

このコンソーシアムはまた、ウイルスに一度も触れたことがない場合でも、既にウイルスに対する免疫があるかどうかを調査する予定です。

一部の研究では、過去に風邪を引き起こすいくつかのコロナウイルスにさらされていた場合、免疫系が新型コロナウイルスを認識できるようになる可能性が示されています。

モス教授は、他の軽度のコロナウイルスに感染すると、Covid-19の感染を防ぐことができるのか、それとも体調が悪くなるのかを調べることが重要な問題だと語りました。

出典 2020年8月28日更新 BBC『Scientists target coronavirus immunity puzzle 』 (2020年8月31日に利用)
https://www.bbc.com/news/health-53937216