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目の微生物叢はなぜ目の健康に重要なのか?

ヒトの体の微生物叢(マイクロバイオーム)による健康効果が発見されて以来、科学界はこれを疾患の新しい治療法に応用しようと試みてきました。
体の自然な微生物の集まりは、健康維持において重要な役割を果たしています。

殆どの研究では一般的に、腸や皮膚に焦点が当てられています。
しかし科学者は最近目の微生物に関する探究を開始しました。

目のマイクロバイオームは、微生物の量によって視力に影響を与えます。
多すぎても少なすぎてもあらゆる病気をひいき起こす可能性があるため、バランスを保つことが大切です。

とある研究では、目の表面に生息する微生物の量が適切であると、防御免疫を促進することが示されました。
微生物量の活用方法を学ぶことで、ドライアイ病、シェーグレン症候群、角膜瘢痕化などの眼疾患に治療法開発に役立つ可能性があると、ピッツバーグ大学で眼科学および免疫学の教授を務めるトニ・セント・レジャー氏は、ザ・コンバセーションに掲載された記事の中で述べています。


- 抗生物質の効果
セント・レジャー氏は、抗生物質は目のマイクロバイオームの健康状態に影響を与える可能性があるため、医者は処方を再考するべきであると述べています。
過剰もしくは不適切な抗生物質を使うと、良い微生物にダメージを与え、感染や自己免疫、さらにはがんのリスクが増します。

2016年、セント・レジャー氏と、彼のパートナーであり国立眼学研究所の眼免疫学者であるレイチェル・カスピ氏は、コリネバクテリウム・マスタイティス s(C. mast)と呼ばれる目の常在細菌が、有害な微生物を死滅させる抗菌因子の産生を促す可能性を発見しました。

C. mastの存在は、失明の防止に効果的であることがわかりました。
セント・レジャー氏は、この微生物の活用により、目の感染症や疾患を防ぎ得る新しい治療法が開発されることを期待していると述べました。

セント・レジャー氏は、ピッツバーグ大学と共同で、微生物による目の表面のコロニーを形成を促進する方法を模索しています。
この研究チームは、健康的な細菌を遺伝子操作し、目の表面への長期的な送達媒体として機能するようにしたいと考えています。

「私たちは、この新しい’プロ-アイ-オティック(prob-eye-otic)’療法によって免疫調節因子が分泌され、これによりアメリカで年間4万人もが影響を受けるドライアイ疾患のような疾患に関連した症状を抑制できるようになることを願っています。」と、セント・レジャー氏は語りました。

出典: 2019年6月25日更新 Medical Daily 『Eye Microbiome: Why Is It Important For Eye Health?』(2019年6月28日に利用)
https://www.medicaldaily.com/eye-microbiome-important-eye-health-437279