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男性がヘルニア手術を受けると、性機能不全が起こることが多い

とある研究レビューでは、ヘルニア治療のために鼠径の手術を受けた男性の多くに、性機能不全や性交時の痛みが起こることが示唆されています。

研究著者は、計4,884人の被験者を対象とした過去の12件の研究データを分析しました。

研究者は、腸内組織が腹壁を通って鼠径部まで肥大する、鼠径ヘルニアと呼ばれる疾患を患う男性に焦点を当てました。

鼠径ヘルニア治療手術後、全体として5.3%の男性が性機能不全を、9%の男性が性交痛を発症していました。

研究著者であり、ハーシーにあるペンシルベニア州立大学医学部のデイビッド・ソイベル博士は次のように述べています。
「一時的な性機能不全や性交痛はあまり一般的てはありませんが、男性が鼠径ヘルニアを治療した結果として起こるのはそこまで稀なことではありません。」

「ヘルニアの外科医と患者は、述前評価および治療後のフォローアップの一環として、性的健康についてオープンに、率直に話し合う方法を見つける必要があります。」と、ソイベル氏はメールの中で述べています。

侵襲が最低限の手術では、術後7.8%の患者が性機能不全を、7.4%が性交痛を発症しました。

より侵襲の高い「開放性」手術では、患者の3.7%が性機能不全を、12.5%が性交痛を発症しました。

しかし、Journal of the American College of Surgeonsに掲載された報告によると、差が小さすぎるため、偶然である可能性を排除することができないといいます。

開腹手術を受けた男性の一部、全身麻酔を受けた患者の1.9%が性機能不全を発症しましたが、局所麻酔を使用した患者においてこの割合は6.2%でした。

性交痛を調査した研究では、全て全身麻酔が使われていました。

調査結果では男性が手術による性関連の副作用について医師と話し合う必要性が示唆されていますが、一部の患者はヘルニアを治療する手術ではなく、ヘルニア自体が原因で性機能不全や性交痛を発症した可能性があると、ソイベル氏は話します。

「このような症状は、鼠径ヘルニアによって引き起こされた可能性があります。原因としては、鼠径部の痛みや、精管や睾丸付近の血管や神経など性機能において重要となる構造に圧力がかかったことが考えられます。」と、ソイベル氏は言います。

「術後、傷口に同様の構造が形成される可能性があります。」と、ソイベル氏は付け加えています。

「開腹手術および腹腔鏡手術どちらにおいても、径部、陰嚢、陰茎の皮膚に感覚をもたらす神経部分が手術対象となるため、痛みや麻痺がおこるリスクがあり、これが性交の一部に必要な間隔を阻害する可能性があります。」

この分析は、ヘルニアやヘルニアを治療する手術が性的健康問題の直接的な原因になっているかどうかを判断するために設計されたものではありませんでした。

「鼠径ヘルニアの治療後には、合併症として性機能不全が起こる可能性があることは周知されています。」と、Kristoffer Andresen医師は言います。
彼は、デンマークにあるヘルレフ病院の外科に努めています。

「手術の合併症に関する文献の数は増えてきていますが、本研究によってこうした文献のさらなる裏付けが出来ました。」と、Andresenはメールの中で述べています。
彼は、この研究には携わっていません。

「またこの研究は、患者と共同で意思決定を行う必要性、および鼠径ヘルニア治療に関するさらなる研究の必要性を強調しています。」

出典 2019年12月12日更新 Asia one『Sexual dysfunction common after men's hernia surgery』(2019年12月18日に利用)
https://www.asiaone.com/lifestyle/sexual-dysfunction-common-after-mens-hernia-surgery