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甲状腺機能低下症:過剰な治療を受けている?

甲状腺機能低下症の薬の服用後、自分が健康で正常な状態であるように感じる感覚に勝るものはありません。
しかし、不安や記憶のぼやけ、下痢、動悸、過度の発汗などの症状が出始めた場合は、甲状腺機能低下症の治療が過剰であることを示す兆候である可能性があります。

甲状腺の活動が低下している場合(甲状腺機能低下症と呼ばれる状態)、体によって甲状腺ホルモンがほとんど生成されません。
これにより、体重が増え、落ち込んだり、疲労したり、低温に敏感になったりします。

しかし、甲状腺機能低下症の原因とは具体的に何なのでしょうか?
放射線治療から自己免疫疾患、あらゆる薬剤まで、甲状腺機能低下を引き起こす可能性がある要因は様々です。
家族歴は、医師が甲状腺疾患を決定するために調べるもう1つの要素です。

内分泌学者は、体内の甲状腺ホルモン値を正常化するため、合成甲状腺ホルモン(T4)を処方することがあります。
T4は、不足している甲状腺ホルモンを置き換えることで機能します。
また、T4の他、別の甲状腺ホルモンであるT3も併せて配合された薬が処方されることもあります。

「体調を最大限改善させるためには、適切な量の甲状腺ホルモンを体のシステムに補充する必要があります。」と、内分泌学者のマリオ・スクゴール医師は強調しています。


<体重の変化に注意する必要がある理由>

甲状腺ホルモンの投与量は体重に基づいて決定されますが、吸収に問題がある人もいるため、医師は血中濃度を監視する必要があります。

「10%以上の体重増減があった場合、必ず医師に報告してください。」と、スクゴール医師はアドバイスしています。
「これにより、過剰治療や過小治療を回避するのに役立ちます。」

閉経が始まったら、過剰治療を避けるために甲状腺線量を減らす必要があるケースがよくあります。

体重に適した量を摂取している場合であっても、体が必要とする以上の甲状腺ホルモンを摂取している可能性があります。
過剰に治療されると、心律動異常や骨粗しょう症(骨量が減少し骨折しやすくなる疾患)を発症するリスクがあります。
ある研究では、過剰治療は心血管リスクの増加と関連していることが報告されています。

新しい薬の服用を開始したり、症状が再発もしくは悪化した場合等、何かしらの変化があった場合は医師に報告し続けることが重要です。


<注意すべき過剰治療の兆候>

甲状腺機能低下症の過剰治療の兆候について理解しておくことが重要です。
軽度の過剰治療の症状は次のとおりです。

  •     暑いと感じたり、動揺を感じる
  •     動悸がある
  •     入眠しづらい
  •     過度の発汗がある

重度の過剰治療の症状は次のとおりです。

  •     不安
  •     気分のむら
  •     手の震え
  •     下痢
  •     主に太ももや肩の筋力低下
  •     減量
  •     眠れない/集中できない
  •     安静時でさえも異常に心拍数が増加する
  •     物忘れ

甲状腺機能低下症の2つの集団は、過剰治療による合併症のリスクが高くなります。
一つは心調律異常(不整脈)のある集団、もう一つは骨の弱い高齢者です。
ある研究によると、甲状腺機能低下症は橋本病により、年配の女性に多く見らるといいます。

「若くても、年をとっていても、その中間にあっても、過度治療を受けていると思われる場合は、自分で用量を調整しないでください。」と、スクゴール医師は言います。
「医師に電話して症状を説明してください。すると、医師が甲状腺ホルモンの血中濃度を確認します。正しい線量調整を行うことで、直ちに、体調が大幅に改善します。」

出典 2020年9月9日更新 Health essentials『Underactive Thyroid: Is Yours Being Overtreated?』 (2020年9月10日に利用)
https://health.clevelandclinic.org/underactive-thyroid-is-yours-being-overtreated/