明晰夢と仮想現実で戦闘に関連したPTSDを治療する可能性

近年、異文化間精神医学の分野の専門家は、伝統的な西洋の精神療法の実践を強化することができる精神衛生障害を治療するための代替選択肢を特定しようとしています。

これらの代替手法の1つに明晰夢があります。これは、夢を見ていることを認識し、夢の物語を制御できるようになることを個人に教えることです。

「アバター」や「インセプション」などの一部のSF映画では、明快な夢を見たり、バーチャルリアリティに参加したりすることで、特定の人々（心的外傷後ストレス障害, PTSDの影響を受けた兵士など）の治療に役立つ想像上の一例を紹介しました。

これらの映画に描かれたハイテクなバーチャルリアルティーについて、研究者であるスーザン・スミス氏は、戦闘後のPTSDを治療するための明晰夢の潜在的な使用に焦点を当てた論文を記しました。これは、イギリスのソフトウェア企業SAGEのジャーナルに掲載されています。

「私の最初の学問的な関心は、障害を持った負傷した戦争ヒーローのSFに目を向けることから始まり、私は医学人文科学と精神医学の研究に目を向けました。」

とスミス氏は本誌に語っています。

「最近の研究では、異文化間精神医学をPTSDを治癒するための方法としての可能性という部分での意識を高めることを主な目的とし、重要な医学的、人文科学な方法を採用しています。 一方で、西洋社会においての軍事資金によって支えられた戦争の、固有の先入観を批判しています。」

スミス氏の最近の研究は、障害、リハビリテーション、軍事医学に焦点を当てた過去の研究と、SF小説での彼らの関連表現に基づいています。

彼女の考察では、彼女は心理学、精神医学、メディア研究を含むさまざまな分野に根ざした理論的構築物とアイデアを組み合わせています。

「人気のSF映画「アバター」と「インセプション」は、明晰夢や仮想世界のような代替治療がどのように兵士に長期的な戦闘に関連する精神面の健康状態を管理し、それに対処する能力を与えるといった可能性があるかを想像するための、文化的な記録を提供します 。」

と、スミス氏は説明しました。

過去10年ほどに渡り、多くのメディア記事は、米軍が「アバター」や「インセプション」などの人気のSF映画に描かれている技術や手法を実験しており、PTSDの影響を受けた退役軍人を支援する可能性について評価しており、2010年にリリースされたクリストファー・ノーラン監督の有名なSF映画「インセプション」に描かれるような悪夢に対処するために、仮想現実（VR）に漠然と似た技術を使用して、専門家が夢を入力して人々の考えを変えることができる現実を描いています。

同様に、ジェームズ・キャメロンが監督し、2009年に公開された映画「アバター」では、障害を持つ兵士の意識が遺伝子操作された身体に移され、戦争中に彼のアバターとして機能します。

スミス氏は研究の中で、PTSDの影響を受けた退役軍人を支援するために同様の技術を使用する可能性について議論し、彼らに無意識と意識の操作について教えています。

彼女の研究は主に理論と推測に基づいていますが、これらの技術が心理療法の設定で持つ可能性のある利点のいくつかを強調しています。

彼女の考察は、SF映画に描かれているものに類似した明晰夢、VRまたは他の技術の使用を統合した、革新的な治療選択肢を考案することを目的とし、さらなる異文化精神医学の研究への道を開いています。

「私の論文は、リハビリテーション医学と軍事心理学と精神医学との重要な関与が、西部社会の戦争文化に立ち向かうために不可欠であることを示唆しています。」

とスミス氏は言います。
 「私の将来の仕事では、現役から民間生活に戻った兵士の精神的健康と幸福を評価するために、現在、軍事医学で試行されているロボット精神科医や仮想セラピストに関する最近のメディア報道を分析することで、この話題ををさらに調査する予定です。

 

 

【以下のリンクより引用】

The potential of lucid dreaming and virtual reality to treat combat-related PTSD

Medical Xpress