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JapanRx / 新しい研究によると、妊娠中のカフェイン消費は安全ではない。一部専門家は同意せず

新しい研究によると、妊娠中のカフェイン消費は安全ではない。一部専門家は同意せず

新しい研究レビューの著者によると、発達中の胎児に安全なレベルのカフェインは存在しないため、妊娠中または妊娠を検討している女性は、コーヒーやその他のカフェイン含有製品を完全に控える必要があるといいます。

しかし、月曜日にBMJジャーナルで発表されたこのレビューに関与していない専門家は、この結論に疑問を投げかけています。

この研究に基づいて「現在のガイダンスをすぐに変更する」必要はない、とアメリカ産科婦人科医の診療活動担当副社長であるクリストファー・ザーン博士は述べました。

「私たちのガイダンスは、中程度のカフェイン消費(1日あたり200ミリグラム未満)は、流産や早産の主な要因ではないようであるとしています。」と、CNNにに対し、ザーン氏は電子メールの中で語りました。

イギリスの王立産科婦人科医会も同様の声明を発表しています。

王立産科産婦人科大学のスポークスパーソンである産科医のダヒニ・ラジャシンガム医師は、「カフェインの摂取量を1日あたり200ミリグラム(インスタントコーヒー2杯に相当)に制限するという推奨は、まだ有効です」と述べています。

「この論文は、カフェイン摂取量を制限すれば大多数の妊婦にとって安全であることが判明した、その他すべての証拠に取って代わるものではありません。」


<因果関係なし>

同レビューでは、カフェインと妊娠転帰との関連に関する37件の観察研究を調べ、「母体のカフェイン消費は、流産、死産、低出生体重出産および/または胎内発育遅延、小児急性白血病、小児の過体重や肥満と確実に関連している」ことが発見されました。

しかし、早産との関連はありませんでした。

「累積的な科学的証拠は、妊娠中の女性や妊娠を考えている女性に対して、カフェインを避けるべきである忠告の正当性を裏付けています。」とアイスランドにあるレイキャビク大学の心理学の教授であるジャック・ジェームズ氏は、声明で述べました。

妊娠中のカフェイン消費に関する現在の健康ガイドラインは、通常、妊娠中の女性にカフェイン消費を1日200ミリグラム以下に保つようアドバイスしているため、「根本的な修正」が必要であるとジェームズ氏は述べています。

全米コーヒー協会(NCA)は、ハーバード大学医学部の神経学教授であり、同協会が後援するコーヒーの研究を行っているアラン・レビトン博士のコメントを用いて、直ちに反論しました。

「このレビューは、自己報告による消費データに依存した研究から結論が導き出されており、この方法は不正確であることが知られています。」と、レビトン氏はNCAによって提供された声明で述べています。

研究をレビューした、利益相反のない一部の外部専門家も、調査結果に納得していません。

研究は観察にすぎず、因果関係を確立できなかったため、「有害な証拠は、一部には、喫煙などのカフェインの高摂取に伴うその他の関連要因に起因している可能性がある」と、キングス・カレッジ・ロンドンの産科で教授を務めるアンドリュー・シェナン氏は声明で述べました。

「観測的性質のあるこのデータには固有のバイアスがかかっているため、低用量のカフェインが有害であることを確実に示すものではなく、高用量のカフェインを避ける現在のアドバイスは変更される可能性が低いしょう。」と、シェナンは付け加えました。

「研究が指摘しているように、妊娠中の高レベルのカフェインは、流産や低体重出産のほか、子供の体重が早期に過剰増加することにつながる可能性があり、その後の健康問題のリスクを高める可能性があります。」と、英国産婦人科医師会のラジャシンガム氏は述べました。

「しかし、他の、より信頼度の高い可能性がある研究により、推奨されるカフェイン制限を超えていたとしても、これらのリスクは非常に小さいため、妊娠中の女性はカフェインを完全に取り除く必要はありません。」とラジャシンガム氏は付け加えました。


<カフェインの普及>

妊娠中の女性がカフェインの摂取量を注意深く監視しない限り、1日のカフェインの摂取量を200ミリグラム以下に維持することは困難です。
多くのコーヒーショップのコーヒー1杯で、簡単にこの量に到達してしまいます。

たとえば、16オンス(約470ml)のスターバックス・ブロンド・ロースト・コーヒーには、360ミリグラムのカフェインが含まれています。
パネラの軽いロースト・コーヒーの同サイズには、307ミリグラム含まれます。
そして、14オンス(約415ml)の中型カップのレギュラー・ダンキン・コーヒーには、210ミリグラム含まれます。

カフェイン抜きのコーヒーに含まれるカフェイン量は9〜14ミリグラムであるため、より良い選択であると専門家は述べています。

コーヒーの他に、カフェインは、お茶、ソーダ、栄養ドリンク、チョコレートなど、妊婦が消費する可能性のある多くの食べ物や飲み物に含まれています。
また、妊娠中の女性が摂取しているカフェイン量を把握することが難しい場合もあります。

たとえば、コカ・コーラには12オンス(約350ml)の缶に34ミリグラムのカフェインが含まれる一方、ダイエットコーラには46ミリグラムが含まれています。
ホネスト・カンパニーのハニー・グリーンティーのボトルには、94ミリグラムが含まれています。
ハーシー社のダークチョコレートバーには20ミリグラムが含まれますが、一部の製品にはエネルギーを増強するためにカフェインが追加されています。
スニッカーズ・チャージのバーには、60ミリグラムが含まれています。

また、考慮すべき要因ばもう一つあります。
世界保健機関によると、妊娠中は、体の血液からカフェインが抜けるスピードが、はるかに遅くなるといいます。

これらすべての要因を考慮して、外部の専門家の1人は、妊娠ガイドラインからカフェインを完全に排除することを検討する必要があると述べています。
オーストラリアのキャンベラ大学で栄養学の臨床助教授を務めるケイシー・ナイト-アガルワル氏は、この研究には関与していませんでした。

「ですので、私の考えでは、このような製品を消費することの唯一の利点は、おそらく心理的な喜びです。これ自体は問題なく良いことですが、心理的な喜びは、妊娠中に消費を止めない理由として十分でしょうか?」 と、ナイト-アガルワル氏は付け加えています。

出典 2020年8月24日更新 CNN Health 『Caffeine consumption not safe during pregnancy, new study says. Some experts disagree』 (2020年9月8日に利用)
https://edition.cnn.com/2020/08/24/health/caffeine-during-pregnancy-study-wellness/index.html