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JapanRx / 抗がん剤で寿命が延びるかもしれない

抗がん剤で寿命が延びるかもしれない

新しい研究では、2種類の抗がん剤を組み合わせると、がんに対抗するだけでなく、より長く健康的な生活を送るための鍵となることが示されています。

ノバルティス製薬の科学者らは、既存の抗がん剤2種類を服用すると、加齢に関与していると考えられる重要な酵素の生産が止まり、これにより命にかかわる感染を撃退し、65歳以上の高齢者の寿命を延ばす可能性があることを発見しました。
この薬の作用は、マウスやその他動物の寿命を延ばすことが既に証明されています。

世界銀行によるとアメリカでは現在の平均寿命は78歳であり、これを踏まえると、こうした薬の効果は調査に値するでしょう。

2013年から2015年にかけて、比較的健康的250人を対象とした臨床試験が行われ、被験者は無作為に5つのグループに割り当てられました。
内2つのグループは、承認済みの化学療法剤をそれぞれ異なる用量で投与されました。
もう1つのグループはダクトリシブを、別の1つのグループはダクトリシブとエベロリムスの組み合わせを投与されました。
5番目のグループはプラセボを投与されました。

各グループは、薬とプラセボをを6週間摂取し、2週間後2014年の季節性インフルエンザワクチンを受けました。
その後9カ月間、被験者の健康状態は日記や血液検査を通じて追跡調査されました。
その年の終わりまでに薬の治療を受けたグループが報告した感染数は、プラセボグループよりも少なくなり、2種類の薬を組み合わせて摂取した被験者においてこの差は最も大きくなりました。
このグループはまた、血液検査でインフルエンザワクチンに対する免疫の向上が見られた唯一のグループでした。
加えて、このグループは高血糖や高コレステロールリスクが低下し、免疫機能が改善したことが示されました。

副作用は殆どもしくは全く現れず、また下痢などの薬に直接起因する副作用は一切報告されませんでした。
この研究は、実験治療薬の最適な用量を確認するために最初に行われる第二相臨床試験に分類されています。

科学者にとっての次なるステップは、より大規模なボランティアグループ、特に呼吸器感染症による死亡リスクがより高い85歳以上の高齢者に対するこれらの薬の有効性を確認することであり、
第二相臨床試験は、今年の終わりには完了する見込みです。

出典: 2018年7月19日更新 Komo News 『Study: Cancer drugs may help 65+ live longer』(2019年6月25日に利用)
https://komonews.com/news/local/study-cancer-drugs-boost-aging-immune-systems-in-65