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JapanRx / 抗HIV薬をアルツハイマー病治療に使用できる?

抗HIV薬をアルツハイマー病治療に使用できる?

アルツハイマー病治癒方法(または少なくとも治療方法)研究が続く中、科学者は、タウ蛋白およびアミロイドβタンパク質を標的とした経路以外に目を向けています。
最近の研究では、アルツハイマー病を治療できる可能性を示す抗HIV/エイズ薬に注目が集まっています。

Journal of Medicinal Chemistryに掲載されたこの研究は、オハイオ州クリーブランドにあるケース・ウェスタン・リザーブ大学医学部の研究者によって実施されました。

研究者は、抗レトロウイルス薬である、エファビレンツ(EFV)と呼ばれるエイズ治療薬に焦点を当てました。
研究者は、EFVを改変すると、コレステロールを除去する脳内の酵素を促進する能力を高められることを発見しました。

コレステロールは、動脈閉塞や心疾患に関連することが多い、ワックス上の脂質物質であり、脳の障害を引き起こすことがあります。
過去の研究では、コレステロールと脳内のアミロイドβタンパク質との関連が見つかり、コレステロールがアミロイドβの結合を促進することが示唆されています。

イリナ・ピクレバは、ケース・ウェスタン・リザーブ大学で、薬理学および視覚科学の教授を務めています。
抗HIV/エイズ薬のアルツハイマー病への使用を調査する研究の一環として、彼女は脳内からコレステロールを除去する働きがある、CYP46A1と呼ばれる酵素に焦点を当てました。

ピクレバは、マウスに低用量の抗HIV/エイズ薬であるエファビレンツを投与すると、マウスのCYP46Aqが活性化することを発見しました。
ケース・ウェスタン・リザーブ大学での研究の中で、ピグレバは、脳にアミロイド斑を発症するよう遺伝子組み換えを施されたマウスを用いて、低用量のエファビレンツの作用を調べる研究を開始しました。

研究者がマウスにエファビレンツの入った飲料水を与えると、薬を摂取しなかったマウスよりも、脳内のアミロイド斑発症数が減少しました。

アミロイド斑(脳に蓄積する毒性タンパク質)は、神経変性やアルツハイマー病に関連していることが十分に確立されています。
しかし、アミロイドの発生方法は無数にあり、研究者は様々なチャネルの調査に明け暮れています。

研究者は最近、アミロイドの主要原因として、炎症に注目しています。
彼らは、炎症が実際にアミロイドタンパク質の蓄積を引き起こすことを発見しています。

他の研究者は、抗HIV/エイズ薬、さらには抗糖尿病薬や臓器移植薬が、アルツハイマー病に役立つ可能性を調査しています。
ブラウン大学が現在実施している第I相臨床試験では、抗HIV/エイズ薬がアルツハイマー病治療薬として、脳内の炎症を軽減できるかどうかを調査しています。

出典 2019年12月20日更新 being patientToday『An HIV Drug to Treat Alzheimer’s? Researchers See Promising Results in Mice』(2019年12月24日に利用)
https://www.beingpatient.com/hiv-drug-to-treat-alzheimers/