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強迫性障害(OCD)とは?

クリーブランドクリニック行動保健学センターの臨床心理学者であるスコット・ビー氏は、強迫性障害(OCD)とは、日常生活の管理や社会的交流が困難になる、適切に名付けされた困難状態であると言います。
この慢性的かつ長期的な状態には「煩わしく、不必要で、不安を引き起こすような考えが浮かんだり、不安を軽減させるために同じ行動や思考もしくはその両方を繰り返す」といった症状があると、ビー氏は言います。

米国不安と鬱病協会によると、アメリカではあらゆる社会経済的階級における何百何人もがOCDを患っているといいます。
アメリカの成人の約1.2%がOCDを患っており、これは3百万人以上にのぼります。
OCDを患うのは、女性の方が男性よりも多少数が多くなります。
しかし子どもの場合、男の子の方が影響を受けやすくなります。


- OCDの兆候
OCDの兆候は人によって異なると、カリフォルニア州サンタモニカにあるプロビデンス・セントジョンズ子どもと家族の発達センターの知能障害及び発達障害と精神保健サービスにて心理療法士兼プログラムコーディネーターを務めるマイラ・メンデズ氏はいます。
OCDは”強迫観念と衝動強迫”2つの基本的な症状タイプによって定義されるとメンデズ氏は言います。
「強迫観念とは、持続的に繰り返し起こる思考として定義され、侵入的に起こり、患者はこれを不必要な思考として識別します。」と彼女は話します。
「衝動脅迫は同じ行動を繰り返し、執拗に執着して行うことを指します。」

OCDの兆候は、以下のカテゴリーに分類されます。

<強迫症状>
  • 執拗で、繰り返し不安を煽る考え
  • 恐怖思考
  • 苦痛を伴う予想
  • 不合理な考えや否定的な予想
  • 自分の考えが歓迎されず、不必要で、邪魔なものであるという不安
  • 心配事やネガティブな予想をコントロールできないという無力感
  • ネガティブな思考や心配事から考えを逸らすことができない
  • 思考や行動に対する自信喪失と不信

<衝動症状>
  • 不安をコントロールするための非合理的な自主規制の遵守
  • 儀式的行動
  • 点検や調整、発注、清掃などの行動を繰り返し行う衝動
  • 特定の順序で業務を実行する、数を数える、厳格な構造パターンに従う必要性を感じる
  • 繰り返しの行動
  • 望んでも繰り返しの行動を止められない

- 一般的な強迫症状
ビー氏は、OCDに関連する強迫観念には以下のような共通点があると言います。

  • 汚染の恐れ
  • 不必要な性的こだわり
  • 善悪に関する過度の懸念
  • 自分や他人に害を及ぼすことへの恐怖
  • トコジラミへの恐怖

- 一般的な衝動症状
OCDの一般的な衝動症状には以下のようなものがあります。

  • 過度の繰り返しの手洗いのような儀式化された行為
  • 過度の清掃
  • 行動の確認(ドアや窓の鍵を調べる等)
  • 身内や医療関係者からの安心感を堪えず求めたり、要求したりする
  • モノを特定の順序に並べ替える
  • 文字や言葉、高速道路の車の数などを数える

- OCDの原因
メンデズ氏は、原因は一つではないと言います。
いくつかの研究では、遺伝的要因があることが示されています。
「この障害は、家族/遺伝的な繋がりがある場合、発症率が高くなります。」とメンデス氏は言います。
「直近の家族(親や兄弟)との繋がりが強いほど、症状を発現する可能性が高くなります。」
研究によると、不安障害や(と)うつ病を患う人は、OCDの兆候を示すリスクが高まるといいます。
また、研究では過去にトラウマや虐待を受けた人はOCDの特徴を示す可能性が示されている、とメンデズ氏は言います。
「トラウマがある場合、機能的、適応的または反応的であるかにかかわらず、対処メカニズムとしてOCDを発症する可能性があります。」と彼女は言います。
「結果は同じあり、トラウマ的経験に関連する不安やストレスを管理することです。」

- OCDテスト
国際OCD財団(International OCD Foundation)によると、、OCDは訓練を受けた療法士によってのみ診断されます。
診断の際、療法士は以下のことを確認します。

  • 強迫観念があるか
  • 衝動強迫行動があるか
  • 強迫や衝動に多くの時間を費やし、仕事や通学、友人との時間といった重要な活動に支障をきたしているか

- OCDの治療
OCDを治癒する方法はありませんが、症状の管理に役立つ治療法があります。
以下がOCDの主な治療法です。

1. 曝露療法
曝露療法は認知行動療法、または対話療法の一種です。
米国不安と鬱病協会(ADAA)によると、これは「OCDの治療に最適な心理療法」であるといいます。
この種の治療法では、OCD患者が徐々に強迫観念にさらされる状況下に置かれます。
患者は、いつも不安や苦痛を和らげるために行う強迫衝動行動をとらないように指示されます。
この方法は、患者のペースに合わせて行われます。
患者は、地震の強迫観念や衝動全てに向き合い、療法士と患者が協力して、これをリスト化します。
療法士は、患者に自身を特定の恐怖にさらす業務の実行を依頼します。
例えば、ドアノブに触れた直後に手を洗う患者である場合、療法士は手洗いを待つように言うでしょう。
「こうした状況に徐々にさらされ、反応を遅らせていくことで、時間の経過とともに恐怖心や細菌への執着を減らしていきます。」と、ADAAは述べています。
この種類の療法は、「多くの患者にとって非常に効果的であることが証明されていますが、OCD患者にかなりの不快感を意図的に引き起こします。」とメンデズ氏は言います。
「これは、過剰で煩わしい儀式を通して環境を調節することなく、不快な感覚に患者を慣れさせるのを助けるために行われます。これにより脳が自主的に回復し、この効果はかなり持続することが知られています。」

2. イメージ曝露
現実空間で行われる療法に戸惑いがある患者には、イメージ曝露(もしくは視覚化)によって、曝露療法への移行に役立つ可能性があります。
この療法では、療法士が患者の不安を引き起こすようなシナリオの作成を手伝います。
例えば、いつもの「完璧な」パターンから逸れることを理由に患者が廊下を歩くことを恐れている場合、療法士は、患者に毎日数分間異なるパターンで歩くことを想像するように促します。
そして、この療法を実践している間の不安レベルを患者に記録してもらいます。
時間の経過と共に、患者は自身の不快感に慣れ、曝露療法を行いやすくなります。

3. ハビット・リバーサル法
ADAAによるとこの療法には、「意識化トレーニング、拮抗反応の導入、ソーシャルサポート、陽性強化といったテクニックの他、多くの場合リラクセーションテクニックが含まれる。例えば、意識化トレーニングには患者が鏡の前で「身体や特定の筋肉の感覚に集中し、その間に何かしらの習慣や変わった行動があるかどうかを確認し記録する」などの方法があるといいます。
「こうしたテクニックは、いつどのように衝動が起こるのかについての認識を高め、患者がそれに介入し、変化を起こしやすくします。」
患者と療法士が協力し、「衝動を乗り越える』方法や、予防法を探していきます。

4. 認知療法
一種の会話療法である認知療法は、患者に自身の脳がエラーメッセージを伝達していることを理解するのに役立ちます。
療法士は、OCD患者がそうしたメッセージを識別し、患者の強迫観念や衝動コントロールに対応するための新しい方法の考案をサポートします。

出典: U.S. News 『What Is OCD?』(2019年5月24日に利用)
https://health.usnews.com/conditions/ocd