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小児喘息はオメガ3の摂取により緩和

小規模の研究ではありますが、小児喘息の症状はオメガ3の摂取によって緩和されるものの、オメガ6ではその状態を悪化させてしまう可能性があることが示唆されています。

この研究は医療情報誌『American Journal of Respiratory and Critical Care Medicine』に掲載されており、喘息とダイエット研究に登録された135人の喘息を持つ子供たちで研究が行われました。
研究に参加した子供たちは5歳から12歳までで、全員がボルチモア市の中心街に住んでいました。
彼らの食事、喘息の症状、喘息薬の使用について、研究の開始時、3ヶ月、および6ヶ月後に再び評価されました。
各評価中は血液サンプルも採取され、研究期間中、大気汚染物質のレベルを測定する装置が参加者の家には設置されました。

この研究の動機はオメガ3とオメガ6の脂肪酸摂取が小児喘息の罹患率と関係があるかどうかを特定することでした。
研究者達はまた、脂肪酸摂取と粒子状物質(PM)、全身性炎症、そして薬物の使用頻度に関連した喘息症状の重症度との関係を調査しました。
オメガ3脂肪酸は、魚や他の種類の魚介類、ナッツや種子、亜麻仁油、大豆、キャノーラ油などの植物油、そして特定のブランドの卵、ヨーグルト、ジュース、牛乳などの強化食品などに含まれます。
また、オメガ6脂肪酸は、トウモロコシ、ベニバナ、ヒマワリ、ぶどうの種、大豆、ピーナッツ、そして、野菜などからの油から調達できます。
またマヨネーズとサラダドレッシングにも含まれています。  

オメガ6は喘息の症状を「増幅する」
この研究の結果は、オメガ6の摂取量が高いことが「喘息の重症度が増加する確率の増加と関連している」ことを示しました。
オメガ6の摂取量の増加はまた、炎症を助長させる白血球の一種である、血中の好中球濃度も上昇しました。
逆に、オメガ3の摂取量は多いほど、「屋内でのPM 2.5の症状に対する影響の軽減」と関連していました。 しかし室内でのPM 2.5の症状の影響は、オメガ6の摂取量を増やすと増幅されました。   著者らは次のように結論しています。
「オメガ3とオメガ6の摂取は、小児喘息の罹患率と関連しており、室内のPMに対する喘息の反応を改善する可能性があります。」  

更なる研究が必要
研究を率いたエミリー・P・ブリガム博士は、ジョンズ・ホプキンスの医学の助教授です。 彼女はこの研究の限界に言及し、さらなる研究が行われる前に喘息患者の食事と生活様式に大きな変更を加えることに対して警告しました。 「私たちはで自分たちのできることをコントロールしました。しかし、これが原因であると言う前に、また、食事の変更をお勧めする前に、私たちは対照研究を行う必要があります。これらの子供たちに影響を与えている食事と、喘息の関連性が見つかったら、それは非常に重要なこととなります。」

医療誌『European Respiratory Journal』に掲載された、オーストラリアのシドニーにある呼吸器医学研究所のリンダ・ホッジ博士が率いた研究の1つでは、
「脂肪酸摂取量を変更しても喘息の子供の喘息の重症度の、臨床的見解には影響がない。」 そして、「喘息の既往歴のある小児では、脂肪摂取量を変更しても短期間の治療効果があるとは考えにくい。」ということがわかりました。

この研究はまた、小児における喘息症状の軽減を引き起こす1つのメカニズムは出生後の早い段階、または出生前の段階でのオメガ3の豊富な食事の摂取である可能性があり罹患しやすい個人のアレルゲンに対する炎症反応を軽減することにより、喘息の発症を予防するという仮説を立てています。 」
結果は臨床的に有意なものではありませんでしたが、著者は、オメガ 3の長期摂取は喘息症状を減らす可能性があることを示唆しています。

この結果は、「オメガ3の摂取と喘息症状の軽減との間の関連性を明確に証明するためには、より統制のとれた研究が必要である」というブリガム博士の考えと一致しています。  

【以下のウェブサイトより引用】
https://www.news-medical.net/news/20190402/Childhood-asthma-eased-by-omega-3-intake.aspx