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JapanRx / 寿命を延ばすには1万歩歩く必要があるという主張を研究が否定

寿命を延ばすには1万歩歩く必要があるという主張を研究が否定

以前の研究では、1日に10,000歩歩くと死亡率が低下するとされていました。
しかし最近の研究では、高齢の女性が1日千歩歩いただけで、早期死亡リスクが低下したことが示されたました。

JAMAインターナル・メディシンに掲載されたこの研究では、高齢の女性の早期死亡を防ぐためには、1日10,000歩も歩く必要が無いことがわかりました。
この研究では平均年齢72歳の女性17,000人を分析したところ、1日4,000歩歩いた女性の死亡率は41%減少したことが判明しました。
1日2,700歩しか歩かなかった女性の早期死亡率は上昇しましたが、1日7,500歩歩いた女性の死亡リスクは、7,500歩以下の歩数であった女性と同様となりました。

この研究の筆頭著者であり、ハーバード大学医学大学院の医学教授兼ハーバード大学公衆衛生学部の疫学教授を務めるイ-ミン・リー氏によると、この研究では身体活動によって健康を向上できることが確認できたといいます。
しかしこの新しい調査結果では、1日10,000歩に届かないような小さな努力でも、同様の健康効果が得られることがわかりました。
残念ながら、この研究の対象は高齢の女性に限られていました。
男性や若い女性にも同様の効果があるかどうかを判断するためには、さらなる研究が必要です。

寿命を延ばすのに必要となる歩数の基準値は明らかではありませんでしたが、研究者らは被験者の女性を1日の歩数(2,700歩、4,400歩、5,900歩、8,500歩)により4つのグループに分けました。
4年間の間に死亡したのは全被験者の内500人のみでした。
加えて、5,900歩歩いたグループでは、それ以下のグループと比較して、死亡率が46%低くなりました。
研究者らはまた、身体活動によって得られる効果において、運動強度による差は無いと結論付けました。

またこの研究では、追加の身体活動が早期死亡につながる最も一般的な疾患である糖尿病や脳梗塞、心不全に関連する血糖値や血圧、コレステロール値をどのように低下させるかについては調べられたものの、どのように死亡リスクを下げるのかについては調べられませんでした。
その上、研究者らは定期的な身体活動により記憶力や思考能力、生活の質も大幅に向上したことを見出しました。

医療情報サイト「Better Health」によると、毎日もしくは週の大半において1日30分歩くことで、全体的な健康を改善できるといいます。
こうした健康向上効果を得るために必要な歩行時間に明確な指標はありませんが、40歳以上の人は適切な運動プラグラムについて医師に相談することで、全体的な健康を向上できる可能性が高まるでしょう。

出典:2019年6月3日更新 Medical Daily 『Research Quashes Claim That 10,000 Steps Are Needed Daily For Improved Lifespan』(2019年6月4日に利用)
https://www.medicaldaily.com/research-quashes-10000-daily-steps-improved-lifespan-435965