電話: (050) 5534-5772

平日09:30~18:30(日本時間)

JapanRx / 寄生虫とは?また、どのようにして病気を引き起こすのか?

寄生虫とは?また、どのようにして病気を引き起こすのか?

最悪の場合、寄生虫感染によって下痢や腹痛、疲労感、倦怠感、体重減少などの症状が現れることがあります。


寄生虫感染には、胃腸感染症を引き起こすものから、髪や皮膚に付着するダニやシラミまで、様々な形態があります。

寄生虫とは、種の異なる生物の体内もしくは体の表面に生息する生物です。
人間の疾患の原因となることがあり、原虫、蠕虫、外部寄生虫の3つに分類されます。

原虫と蠕虫は主に腸に影響を与える一方、外部寄生虫(シラミやダニ)は皮膚に付着したり、潜り込むことで、皮膚に長期間留まります。

原虫や蠕虫の大部分は非病原性(病気を引き起こさない)、もしくは非常に軽度な疾患を引き起こします。

しかし、一部は、重度の疾患を引き起こすことがあります。
ある人の糞便で見つかった寄生虫が最終的に別の人に飲み込まれる糞口感染は、寄生原虫および蠕虫の伝染形態として最も一般的です。

初期症状として、胃腸(腹痛および/もしくは下痢)に影響が出る傾向にあります。
寄生虫が赤血球や臓器に侵入すると、症状がより深刻化することがあります。


<原虫>
小さい単細胞生物である原虫は、人間の体内で増殖します。

例えば、原虫のジアルジアには、2段階のライフスタイルがあります。

栄養型と呼ばれる最初の段階では、寄生虫が泳ぎ回り、小腸から栄養分を摂取します。
第二段階で、この寄生虫は動かない嚢胞に成長します。

糞便中に排泄された嚢胞は供給用の水を汚染することがあり、汚染された食物や水を摂取することで感染します。

人と人との密接な接触や不衛生な生活環境も、感染を促進する可能性があります。

ジアルジア症(胃腸炎の一種)には、重度または慢性の下痢、腹痛、疲労、衰弱、体重減少などがあります。

その他の重要な原虫には、マラリア原虫属があります。

マラリア原虫は蚊の体内で成長し、感染した蚊が人間を刺すことで、寄生虫を伝播します。

マラリア原虫は赤血球を破壊することで臓器機能に影響を与え、マラリアとして知られる人間の疾患を引き起こします。

マラリアは全ての寄生虫疾患のなかで、最も大きな死因となっています。
2017年、マラリアにより世界中で435,000人が死亡し、死者のほとんどがサハラ以南のアフリカの幼児であると推定されました。


<蠕虫>
ワームと呼ばれることの多い蠕虫は、成虫になると裸眼で確認することができる、大きな多細胞微生物です。

原則として、蠕虫は人間の体内で増殖することはできません。

主要な蠕虫な分類の一つに、扁虫があります。

扁虫の体は、文字通り扁形の軟体です。
消化管には、食物の摂取及び排泄両方に使用される開口部が1つしかありません。

扁形動物の80%は寄生虫であると考えられています。

条虫(サナダムシ)は、扁虫の一種です。
オーストラリアで最もよく見られる人間の条虫は、小型条虫です。

オーストラリア北西部の孤立したコミュニティでは、小型条虫の有病率は約55%であると推定されています。

小型条虫の卵を飲み込むことで、人間に感染します。
人から人への感染は、糞口経路を介して起こります。

他の寄生虫と同様、衛生状態の悪さや居住区の共有が主な危険因子となります。
症状には、下痢や腹痛、体重減少、脱力感があります。


<線虫>
線虫は蠕虫のもう一つの主要な分類であり、一般に回虫として知られています。

線虫は地球上でもっとも数の多い多細胞動物でああり、ほぼ全ての環境下で見られます。

扁虫とはことなり、線虫には口から肛門まで伸びる消化器系があります。

世界の人口の50%以上が、一生に1度は、少なくとも6つある主要な線虫分類のいずれかに感染すると考えられています。

線虫の卵もしくは幼虫は、通常人間の宿主に感染する前に土壌で成長します。

このため、こうした線虫はしばしば土壌伝播蠕虫と呼ばれます。

良い例として、汚染された土壌から皮膚に移り、皮膚を貫通することで人間に寄生する回虫があります。

その為、回虫感染を防ぐには適切な履物を着用することが大切です。

蟯虫(ヒト蟯虫)のライフサイクルは、他の線虫とは異なります。

蠕虫の幼虫は肛門付近の皮膚上、もしくは指の爪の下で成長します。

蠕虫は糸状中とも呼ばれ、オーストラリアでは最もよく見られる蠕虫寄生虫です。

蟯虫の主な症状は、肛門周りの痒みです。
蟯虫は人から人へ簡単に感染し、家族全員が感染することも珍しくありません。


<外部寄生虫>
外部寄生虫という用語は一般的に、ダニやノミ、シラミなどの、皮膚に潜り込み長期間留まる生物を指します。

例えば疥癬は、痒みを伴う小さな赤い斑点の膨らみが特徴の伝染性皮膚疾患であり、ヒゼンダニによって引き起こされます。

通常疥癬は直接、長期的に皮膚と皮膚が接触することで広まります。

アタマジラミは、人間の頭髪で生息および繁殖し、頭皮から吸血することで摂食する、小さな羽のない昆虫です。


<予防と治療>
一部の寄生虫には、長期間休眠状態になるものもあります。

このため、症状が無かったり、症状が曖昧もしくは非特異的となることがあり、寄生虫感染の診断が困難となることがあります。

幸いなことに、一度診断できれば、あらゆる種類の寄生虫を治療できる非常に効果的な薬が存在します。

これらの薬には副作用がありますが、全体的には非常に効果的です。

寄生虫の治療には、衛生状態を改善したり、患部に適切な衣服および履物を纏うなどの予防策を併用する必要があります。

世界保健機関は、流行地域に住む、リスクのある全ての人々が定期的な医療処置(駆虫)を受けることを推奨していますが、広範囲での実施は依然として困難です。

出典 2019年12月24日更新 news.com.au『Parasitic worms: What are they and how they can make you sick』(2020年1月14日に利用)
https://www.news.com.au/lifestyle/health/health-problems/parasitic-worms-what-are-they-and-how-they-...