女性の卵子には男性の精子の好みがあるようだ

2020年6月10日（ヘルスディニュース）- 人々は配偶者に求める特定の資質があるようです。そして新しい研究では、女性の卵子も精子について選り好みがあるかもしれないことが発見されました。

研究者たちは、この発見は卵子が精子をただ受け入れるのではないことを示し、人間の生殖への新たな洞察を提供するものであると述べています。

そして、実際には結婚が以前に認識されたよりも多くを物語ることを示しています。

受精直前、卵子と精子の間には化学的な「会話」があると、スウェーデンのストックホルム大学の准教授で、この研究のリーダーであるジョン・フィッツパトリック氏は説明しました。

「卵子から放出された化学的信号により、精子は遊泳行動を変えることができます。」

とフィッツパトリック氏は言います。

「化学信号にさらされると、精子はまっすぐ泳ぎ、卵子に向かって移動します。つまり、卵子は、精子を卵子に導く、パン粉の跡のように精子誘導化学物質を放出しています。そして、これが生殖能力に影響を与える可能性があります。」

新しい発見に基づいて、女性の卵子は特定の男性から精子をより引き付けるために、これらの信号を優先的に使用します。

研究者らは、不妊治療を受けているカップルからの精子と卵胞液のサンプルを研究した後、その結論に達しました。

卵胞液は卵を取り囲み、精子を引き込む化学物質を含んでいます。

ある女性の卵胞液は、他の男性よりも特定の男性の精子を引き付けるのに優れていることがわかりました。

そして、卵子の好みは必ずしも女性が選択した配偶者と一致しませんでした。

フィッツパトリック氏は、不妊症への治療に実際的な影響があるかどうかは明らかではないと述べました。

「しかし、不妊症の約3分の1には明確な原因がありません。

以前は、化学シグナルが卵子と精子の相互作用と不妊にどのように影響するかについては考慮していませんでした。私たちの研究は、将来これを検討するための扉を開くのに役立ちます。」

この調査結果は、6月10日の『Proceedings of the Royal Society B』誌に掲載されました。

ナタン・バーチャマ博士は、アラバマ州バーミンガムにある男性生殖泌尿器学会の会長です。

調査結果は少数のカップルに基づいており、研究での統計的結果が必ずしも実際の生理機能に変換されるわけではないことを彼は警告しました。

バーチャマ氏は、そうは言ってもそのようなプロセスの存在は理にかなっていると言います。

つまり、最後の瞬間まで、卵は最も適合する精子を求めて争っているということです。

しかし、バーチャマ氏は、「最終フィルター」が夫婦が子供を授かる可能性においてどれほど重要であるかは明らかではないと述べました。

「これは一歩であり、その影響はまだ決定されていません。」

と彼は述べました。

フィッツパトリック氏は、不妊治療との関連では、卵子の化学信号の影響は実際には最小限である可能性があると述べました。

「これは、卵子と精子が臨床の体外受精プロトコルの下で非常によく処理され、生存可能な胎芽を生み出すためのあらゆる機会が与えられるためです。」

と彼は説明しました。

さらに、バーチャマ氏は、細胞質内精子注入（ICSI）と呼ばれるプロセスで、不妊治療中に精子が卵子に直接注入されることが多いと指摘しています。

しかし、卵と精子の間の最終的な化学的相互作用をバイパスすることができるということで、結果がもたらされるのでしょうか。

繰り返しますが、バーチャマ氏は、最も生存可能な胎芽が確実に移植されるために取られるすべてのステップについて指摘しました。

「ICSIによる赤ちゃんの健康に関するすべてのデータ、それ自体が物語っていると思います。」と彼は述べました。

しかし、フィッツパトリック氏によれば、卵子の化学誘引物質は自然受精の際により重要になる可能性があると言います。

この研究では、平均して、卵胞液がその化学信号で「より魅力的」であったとき、彼らの目標のために約18％多い精子が泳いだことを発見しました。

そして、それは「かなり重要」かもしれないとフィッツパトリック氏は述べました。

「私たちの最良の推定値は、数百の精子だけが卵子に到達するということです。」

と彼は述べました。

「そして、これらの精子の約10％だけがいつでも卵子を受精させることができるのです。」

もちろん、カップルはおそらく卵子と精子の互換性の手がかりがないまま集まります。

そして、これらの卵子と精子の化学力学は、妊娠の可能性を生み出したり、壊したりする可能性があるという人は誰もいません。

「代わりに、特定の卵子と精子の組み合わせで受精しやすくなるのかもしれません。」

と、フィッツパトリック氏は述べました。

「これをはっきりと言えるようになるまでには、まだ長い道のりがありますが、それは確かに可能性があるのです。」

【以下のリンクより引用】

Healthday