電話: (050) 5534-5772

平日09:30~18:30(日本時間)

JapanRx / 一部の女性の流産の可能性はホルモンで減らすことができる

一部の女性の流産の可能性はホルモンで減らすことができる

研究では、流産や妊娠中の早期出血を経験した女性にプロゲステロンホルモンを投与すると、出産の成功率を高める可能性が示されています。

バーミンガムの研究者らは、4,000人の妊婦を対象とした試験を実施しました。

31歳のサマンサ・アランは、最初の赤ちゃんを亡くした時と、次の妊娠中に月経中間期の出血を経験しました。

ホルモンを8週間摂取した後、彼女は息子のノアを出産しました。

プロゲステロンは妊娠に不可欠なホルモンです。
これは胎芽が植えつけられる子宮内膜を維持し、免疫機能をサポートします。

サマンサは実験のためプロゲステロンのペッサリー(膣坐薬)を処方され、妊娠16週目まで1日2回の使用を継続しました。

彼女は、試験開始から1週間以内に出血が止まり、妊娠はとても順調に経過したと述べました。

サマンサは、このホルモン療法が過去に流産を経験した女性の役に立つと良いと考えています。

「私はただ、他の女性が私と同じ苦痛を経験せずに済むことを願っています。流産は身体に大きな負担となります。」

流産は女性の5人に1人が経験し、妊娠初期の膣出血は流産発生リスクの上昇と関連しています。

プロゲステロンは既に体外受精治療(IVF)に使用されており、サマンサは試験に参加することに何の不安も感じていなかったと話しました。

「この試験に参加できたことを嬉しく思います。初期段階の試験ではなかったので、リスクがあるようには感じませんでした。」

ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシンに掲載されたバーミンガム大学の研究では、約2,000人の妊娠女性グループにプロゲステロンが投与され、同人数の別の女性グループにはプラセボ(偽薬)が与えられました。

研究対象となった女性は全員、妊娠初期の出血を経験していました。

研究では、ホルモンの摂取で早期出血のあった女性全てを助けることはできなかったものの、過去に繰り返しの流産歴(3回以上)がある女性において最も効果が高くなることが示されました。

これらの女性では、出生率が15%増加しました。
プラセボグループでは148人中85人が出産した一方、ホルモングループでは137人中98人の女性が出産しました。

バーミンガム・ウーマン・アンド・チルドレンズ病院(Birmingham Women and Children's Hospital)の婦人科医コンサルタントであり、この研究を主導したアリ・クーマラサミー氏は、
この治療法は何千もの赤ちゃんの命を救う可能性があると述べました。

「この結果が英国国立医療技術評価機構によって検討され、流産リスクのある女性のための国のガイドラインが更新されることを願っています。」と彼は言いました。

クーマラサミー氏は、現時点では、女性に流産の可能性がある時「私たちができることは何もない」と言います。

しかし彼は、流産の発生にはたくさんの複雑な理由が関係しているため、この治療方法が流産を経験した全ての女性に効くとは限らないと述べました。

プロゲステロン関連の問題を抱えている女性だけに効果がある可能性がある、と彼は付け加えました。

流産のチャリティー団体の最高責任者であるジェーン・ブレウィン氏は、次のように述べています。
「この研究結果は、過去に流産を経験した両親にとって重要なことです。今ではたくさんの命を救い、悲痛な経験を避けることができる効果的な治療選択肢があるのですから。」

「この結果により私たちは、さらなる研究によってより多くの治療法が生み出され、最終的にはより多くの流産を予防できるようになるという確信を得ることができました。」

出典:2019年5月9日更新 BBC News Health 『Hormone 'can reduce some women's chances of miscarriage』(2019年5月17日に利用)
https://www.bbc.com/news/health-48207396