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JapanRx / ラパマイシン局所薬が結節性硬化症に起因する顔面腫瘍に効果

ラパマイシン局所薬が結節性硬化症に起因する顔面腫瘍に効果

結節性硬化症複合体(TSC)と呼ばれる遺伝性疾患を持つ人々のための重大な問題に取り組んでいるアメリカ・ヒューストンにあるテキサス大学健康科学センター(UTHealth)の医師は、ラパマイシンが含有されたスキンクリームは、顔面の腫瘍を著しく減少させ、その疾患を持つ人々の90%以上に効果があったことを報告しました。

結節性硬化症複合体を持つ179人の人々を含む、多施設国際研究の所見が、医療誌『JAMA Dermatology』に掲載されています。

この研究の主執筆者であるUTHealthのMcGovern Medical Schoolのメアリー・ケイ・ケーニグ医師は、次のように述べています。
「結節性硬化症の複合体を持つ人々は、他の健康な人々のようになりたいと願っていますが、彼らはこの治療を受けることができます。」

結節性硬化症複合体は、米国で約5万人が罹患しており、身体全体に非癌性腫瘍がランダムに増殖することを特徴としています。
腎臓、脳、その他の臓器での良性腫瘍は健康上のリスクが高いですが、顔面の腫瘍は外観が他の人とは異なってしまうため、
患者の日常生活に大きな影響を与えるとケーニグ医師は言います。

ケーニグ医師の研究チームはラパマイシンを含有する2種類のフェイスクリームをテストしました。
ひとつはラパマイシンを含み、もう一つは3種類の成分の混合成分のクリームです。 患者は就寝時に6ヶ月間クリームを塗布しました。

「試験薬を服用している患者の80%が、ラパマイシンを含まない混合成分のクリームを使用している患者の25%と比較して、
有意に改善が見られました。」
と彼女は述べました。

結節性硬化症アライアンスの社長兼CEOであるカリ・ルター・ロスベック氏は、次のように述べています。
「レーザー手術を含む以前の治療法は、後遺症を伴います。この極めて重要な研究と発表は、治療法の選択肢としてのラパマイシン局所薬の
有効性を理解するための大きな一歩です。さらに、国防総省のTSC研究プログラムによって資金が提供されています。
私たちはこの研究をとても誇らしく思っています。」

ラパマイシンは通常、臓器移植を受けている患者に投与されます。
経口投与した場合、ラパマイシンは免疫系を抑制して臓器が拒絶しないように作用します。  

ラパマイシンと結節性硬化症複合体は、mTORと呼ばれるタンパク質によって結び付けられています。
それが機能不全になると、結節性硬化症複合体を発症します。ラパマイシンはこの機能不全を修正する作用があります。

ラパマイシンは当初、結節性硬化症複合体に起因する脳腫瘍の治療に効果的に使用されたので、研究者らはTSC関連の顔面腫瘍でそれを試すことにしました。

TSC関連の顔面腫瘍を治療するためのラパマイシンの使用に関する2010年の予備研究に基づいて、
この研究は、ラパマイシンを含有するクリームがこれらの腫瘍を縮小させるということを確認しました。

薬の毒性は、経口摂取した場合での懸念事項であるため、研究者たちは皮膚への使用に関連する問題について慎重にチェックしました。  
「薬は皮膚の表面に留まっているように思えます。この研究に参加している人々の血流中に、それほどの濃度では確認されませんでした。」
とケーニグ医師は述べました。
TSCにおける血管線維腫を消失させるためのラパマイシン局所薬による新規治療法の多施設評価は、オーストラリアを含む10か所の試験施設を対象としました。

ケーニグ医師は、薬物の長期的な影響、最適な投与量、フェイシャルクリームを経口治療と組み合わせるべきかどうかを評価するために、
追加的な研究が必要であると述べました。  

【以下のウェブサイトより引用】 
https://medicalxpress.com/news/2018-05-rapamycin-lotion-facial-tumors-tuberous.html