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プロバイオティクスのメリットとは?

研究では、特定のプロバイオティクスが特定の状況下で役立つことが示されています。

しかし、あなたは自分で調べる必要があるでしょう。ここではそれをお手伝いします。

 

健康食品店、さらにはドラッグストアに足を踏み入れると、プロバイオティクスで埋め尽くされた専用の通路が、おそらく2つは見つかると思います。

プロバイオティクスは、生きた微生物であり通常は適切な用量で摂取すると健康上の利点があるバクテリアです。

いくつかの調査では、約400万人のアメリカ人がプロバイオティクスを摂取しており、それは、錠剤、粉末、食べ物や飲み物で入手することができます。

市場調査会社のZion Market Researchによると、プロバイオティクスは、少なくとも400億ドルの巨大な産業であり、人気商品は1用量あたり35セントから1ドルで、数ヶ月間、保存ができます。

プロバイオティクスの支持者の間では、免疫、代謝、気分を含む、健康の多くの側面に関与している腸内細菌叢の組成を改善すると議論されています。

そういった面では、プロバイオティクスはほとんど考える必要もないものに思えるかもしれあません。しかし、財布に手を伸ばす前に、多くの科学者や医師はプロバイオティクスが有望であると信じている一方で、市場に出回っている製品の多くはふさわしくない誇大広告であるとも言っています。

「現在得られている証拠は、健康な人にプロバイオティクスを推奨するように説得しているものではありません。」

とハーバード大学医学部の助教授であり、ケンブリッジ・ ヘルス・アライアンス(Cambridge Health Alliance)の内科医であるピーター・コーエン博士は述べました。

2019年1月に発表されたプロバイオティクスに関する科学文献のレビューで、研究者は、

「健康な成人におけるプロバイオティクスの利点と可能性は不確実なままです。」

と結論付けています。

 

プロバイオティクスにはどんな利点があるのでしょうか?

いくつかの臨床研究は、特定のプロバイオティクスが特定の状況で役立つことを示唆しています。

アメリカ消化器病学会(American College of Gastroenterology)によると、プロバイオティクスのひとつである『ビフィドバクテリウム‐インファンティス35624』は過敏性腸症候群(I.B.S.)の治療に役立ちますが、サッカロマイセス・ブラウディ、酵母、およびラクトバチルス・ラムノサスGCは抗生物質を服用している成人の下痢のリスクをそれぞれ減らすことができます。

特定のプロバイオティクスも、嚢炎、潰瘍性大腸炎、疝痛および感染性下痢の治療に役立ち、抗生物質を服用した後にクロストリジウムディフィシル感染症を発症するリスクを減らすことが示されています。

プロバイオティクスが役立つさまざまな状況を理解するには、カナダのオンタリオにあるウェスタン大学の微生物学者であり免疫学者のグレゴール・リードが推奨するこのガイドをチェックしてください。彼は国際プロバイオティクスおよびプレバイオティクス協会( ISAPP)の前会長です。

そして科学が何と言おうと、栄養補助食品として販売されているプロバイオティクスは病気を治療する薬ではありません。

企業がプロバイオティクスを医療品として販売する場合は、食品医薬品局(FDA)の承認を取得して、生物製剤として販売する必要があります。

これまでのところ、FDAによるこの指定が与えられたプロバイオティクスは存在しません。

 

 

プロバイオティクスは詐欺?

プロバイオティクスでは、詳細が重要です。ドラッグストアに足を踏み入れて、市販のプロバイオティクスをただ体にいいと考えて入手するのはどうかと思います。

また、科学文献を参照していない人が行っている推奨事項にも注意してください。

 「薬剤師、医師、健康食品店の係員、または食事療法が記された本をむやみに信用しないでください。悲しいことに、ほとんどの人は情報不足なのです。」

とリード博士は述べました。

しかし、あなたが信頼する医師から臨床研究で示されている特定のプロバイオティクス株が推奨された場合、または、確かな臨床研究によって裏付けられている株を特定し、実際に試してみたいと思われる場合は医師に再確認をした上で使ってみましょう。

しかし、奇跡は期待しないでくださいね。

 

プロバイオティクスの問題は?

一部のプロバイオティクスには、「何かを行うほど十分に長く体内に留まるのか」という問題があります。

Cell誌で公開された2018年の研究で、科学者チームはイスラエルで市販されている11種類の細菌株の混合物である『Supherb Bio-25』を4週間、健康な10人に与え、プロバイオティクス4種類が正しく機能したことを見つけました。

これは、一部の人々にはこれらの株が効果がなかったことを示しているとイスラエルのワイツマン科学研究所の計算生物学者であり、研究の共著者であるエラン・セガル博士は述べました。

研究はさておき、プロバイオティクスに関する他の大きな問題は、言われるほど良い物を含んでいないかもしれないということです。

アメリカでは、FDAがほとんどのプロバイオティクスを栄養補助食品として規制しているため、その製造および品質管理の基準は、処方薬および市販薬の基準よりもはるかに厳格ではありません。

2016年の研究では、カリフォルニア大学デイビス校およびその他の機関の研究者がDNA分析を使用して、16種類の市販のプロバイオティクスのラベルに記載されている細菌株と、実際に製品に含まれていたものを比較しました。

研究者は、16個の製品のうち1つだけがラベルに記載されている菌株を含んでいることを突き止めました。そしてそのいくつかは全く異なる細菌種が含まれていました。

優れた品質管理の問題としては、2014年、プロバイオティクスサプリメントのカビ汚染と考えられるもので未熟児が死亡しました。

さらに、プロバイオティクス製品の中には、それらが含まれるといわれる株や各線量にコロニー形成単位がいくつあるか(各用量に含まれる生菌数の測定値)を、FDAの要請がないとの理由から記されていないものもあります。

その結果、消費者は情報に基づいた決定を下すために、多くの自習を行う必要があるとリード博士は言います。

この情報をラベルに記載しているブランドを探し、医師の推奨事項や公開されている研究とラベルを相互参照する必要があります。

理想的には、臨床研究で有効であることが示されている用量を服用する必要があります。

 

食品からプロバイオティクスを摂取するのは?

リード博士が推奨するガイドは、アクティビア、グッドベリー、ダンアクティブのいくつかと、ヤクルト飲料やいくつかの乳児用粉ミルクが、利益のある少数の食品として言及されています。

 

ヨーグルトや発酵食品の中には生きた微生物が含まれていないものがあり、もし含まれていても、それらのバクテリアは何の役にも立たない場合があることに留意してください。

「残念ながら、『プロバイオティクス』という用語の誤用も大きな問題になっており、多くの製品が必要な基準を満たさずに用語を悪用しています。」

と、消化器病学および肝臓病学誌(The journal Gastroenterology&Hepatology)に掲載された2014 ISAPPコンセンサスステートメントでは記されています。

 

抗生物質を摂取後にプロバイオティクスを服用するのは?

一部の医師は、腸内の微生物の再増殖を開始する方法として、抗生物質の投与後にプロバイオティクスを服用することを推奨していますが、Cell誌の研究はそれを実践することに疑問を呈しています。

研究者は、同じプロバイオティクス混合物であるBio-25が、最近、抗生物質を摂取した健康な人々の数名の内臓に定着したことを発見しましたが、Bio-25を摂取した人は、摂取しなかった人よりも通常の腸内細菌の成長が遅いことがわかりました。

ただし、Cellの研究は小規模であり、その調査結果はBio-25製品にのみ適用されます。

他の株が同様の効果があるかどうかはわかっていません。

そして、これには別の重要なポイントがあります。それは、すべてのプロバイオティクス系統は異なり、1つの系統の影響は他の系統とは関係がないということです。

別の言い方をすれば、プロバイオティクスは「一般化できない」とリード博士は述べました。

 

なぜプロバイオティクスの利点には確信がないのでしょうか?

大部分の製品を包括的に推奨するために必要な証拠を積み上げるためにも多くの資金だけでなく時間もかかります(結局のところ、医師はまだ健康な人がマルチビタミンを摂取すべきかどうかについても議論しています)。

これまでのところ、プロバイオティクスに関する多くの臨床研究は小規模でありデザインが不十分であるか解釈が困難なのです。

その多くは、長期的な影響を見るのではなく、短期的な結果に焦点を合わせています(長期試験が非常に費用がかかるということがあります)。

さらに、アナルズ・オブ・インターナル・メディシン誌に掲載された2018年のシステマティックレビューでは、プロバイオティクス試験では、特に潜在的な副作用に関して、十分な安全性データが報告されないことが多く、プロバイオティクスの安全性に関する疑問が提起されています。

 

特に、コーエン博士は2018年の社説において、プロバイオティクスは生きている微生物なので、人間の腸内細菌に危険な抗生物質耐性遺伝子を拡散させる可能性があると記しています。

しかし、ありがたいことに、これが人間で実際に起きたという証拠はありません。

それでも、プロバイオティクスについてはっきり言えることは、店頭の商品がどれだけ安全で効果的かを判断するために、より質の高い調査が必要だということです。

 

【以下のリンクより引用】

What Are the Benefits of Probiotics?

New York Times