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JapanRx / エベロリムスとR-CHOP療法の併用はびまん性大細胞型B細胞リンパ腫の治療に安全

エベロリムスとR-CHOP療法の併用はびまん性大細胞型B細胞リンパ腫の治療に安全

  医療誌『Lancet Hematology』に掲載されたアメリカ・メイヨー・クリニック(Mayo Clinic)の研究者による予備研究の結果によれば、
標的療法薬おnエベロリムスは、未治療のびまん性大細胞型B細胞リンパ腫の治療にR-CHOP療法と安全に併用することができます。

 R-CHOP療法はリンパ腫の治療に使用される薬の組み合わせ療法です。
この組み合わせには、リツキシマブ、シクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチンおよびプレドニゾンが含まれます。

メイヨークリニックの血液科の医師で著者のパトリック・ジョンストン博士は、次のように述べています。
「びまん性大細胞型B細胞リンパ腫の治癒率を高める試みにおいて、R-CHOPに基づく新しい治療法を開発する必要があり、まだそれは達成されていません。」
「この予備的研究は、標準治療にmTOR阻害薬を追加することで、転帰が改善される可能性があることを示唆していますが、
より大規模な臨床試験で検証する必要があります。」

エベロリムスとR-CHOPの併用は、計画用量の漸増内で、用量制限毒性に達しなかった患者においての忍容性が高いものでした。
大多数の患者(96%)が全体的に薬剤反応性が見られ、そして全ての反応者が治療に対して完全に代謝反応がみられました。

この結果は、細胞の成長と生存に関わる分子のカスケードであるP13K-mTOR経路を標的とする薬物が、
標準的なR-CHOP療法と組み合わせると有益性が増すということを示しています。

リンパ腫は米国で6番目に一般的な癌であり、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)は非ホジキンリンパ腫での最も一般的なタイプです。
DLBCLに対する標準的治療法は、21日間の周期で6サイクル送達されるR-CHOP併用治療です。
しかし、このレジメンでは通常、患者の約60%しか治癒できません。

ジョンストン博士と彼の研究チームは、治癒率を改善する方法を模索し、科学文献を精査しました。

2例の証拠を、P13K-mTOR経路を標的とすることに向けました。
まず、実験室におけるDLBCL細胞の病因におけるこの経路の重要性が多数の研究によって実証さています。
次に、臨床試験において、再発DLBCLにおけるエベロリムス(mTOR阻害薬)の単剤での有効性が実証されています。

そのため、メイヨー・クリニックの研究者らは、標準R-CHOP療法とエベロリムスを組み合わせたレジメンをテストすることにしました。

彼らは国立癌研究所の腫瘍学の協力グループにおいて臨床試験を行い、未治療のDLBCLがある24人の新規の患者でフェーズ1と実現可能性の研究を行いました。

患者はR-CHOP-21との組み合わせで14日間、エベロリムスの投与を受けました。
ポジトロン断層法の画像評価では、96%という大部分の患者が全体的な反応、そして、完全な代謝反応を見せました。  
DLBCLの再発は起こらず、すべての患者は治験の登録から12ヶ月で無再発状態になるという目標を達成しました。

この治療は忍容性が高く、そして、最も一般的な有害事象は、グレード4の好中球減少症(75%)やグレード3の発熱性好中球減少症(21%)など
血液学的性質の副作用でした。

「この研究は、P13K-mTOR薬を標準のRCHOP療法と組み合わせた最初の研究です。」
とジョンストン博士は述べています。
「この新しいレジメンの有望な結果と毒性プロファイルは、エベロリムスの世界的な可用性ともに、
DLBCL患者の大きな集団においても、潜在的にはこの治療法の適用を可能にします。」  

*この記事は、2016年6月当時のものです。

【以下のウェブサイトより引用】
https://medicalxpress.com/news/2016-06-everolimus-r-chop-combination-safe-diffuse.html