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イギリス:進行乳癌の組み合わせ治療薬がNHSで承認

イギリスの国民保健サービス(NHS)は、いくつかのタイプの進行乳がんの患者での、配合新薬の利用を可能にしました。
国立医療技術評価機構(NICE)は、新しい手引きの中で、一般名アベマシクリブ(ベージニオ)とフルベストラント(フェソロデックス)による治療が、
臨床試験において、病気の進行を遅らせ、また、化学療法の必要性を遅らせることが確認されたとして、この2薬を推奨しました。

NICEは、この組み合わせは最大4,800人の女性にとって選択薬となり得ると述べました。
この中には、乳がんが広がっていてすでにホルモン療法を受けている患者も含まれています。

患者の癌細胞は、特定のホルモン受容体について陽性である必要がありますが、HER2受容体については陽性である必要はありません。
この組み合わせ治療薬は、代替薬が、他のふたつの薬、ホルモン療法薬のエキセメスタン(商品名アロマシン)と、
分子標的薬のエベロリムス(商品名アフィニトール)の組み合わせである場合にのみ使用されます。

Cancer Research UKのポリシーマネージャであるローズ・グレー氏は、この決定について 「素晴らしいニュース」と称賛しました。

「臨床試験は有望な結果を示しました。この治療は病気の悪化を遅らせるのでそれは重要なことです。」
と彼女は言いました。 

長期的なデータが必要
アベマシクリブは癌細胞内の成長分子を阻害することで作用し、それらが分裂するのを防ぎます。
この薬剤はホルモン治療薬フルベストラントと組み合わせて治験されています。 進行性乳がんの669人の患者を対象とした治験では、
アベマシクリブとフルベストラントを併用すると、フルベストラントのみを摂取した場合と比較して、患者のがんが悪化するまでの時間が長くなりました。
組み合わせ薬剤を服用している患者は、がんを悪化させることなく平均16.5ヶ月間生存していたのに対し、フルベストラント単剤を服用している患者は9.3ヶ月でした。
しかし、重篤な副作用は、組み合わせ薬剤を服用しているグループにおいて、より一般的で5人に1人が重度の下痢や血栓などの副作用が見られました。

これらの患者においては、組み合わせ薬剤が長期生存率をどれだけ改善するかを知るために十分なほどの治験が実施されていません。
「この治療薬は非常に新しいため、患者へ長期にわたってどれほどうまく作用するのかはまだわかりませんが、
この薬は癌医薬品基金(Cancer Drugs Fund)により承認されています。これは、より長期的な利益についてより多くのデータが収集されていることを示し、
患者が薬を素早く入手できることを意味しています。」
とグレイ氏は述べました。

癌医薬品基金で承認されれば、NHSで日常的な使用が承認される前に、患者は新しい治療薬が入手できるようになります。
これにより、NHSと製薬会社は、薬の長期的な利益に関するより多くのデータを収集することができます。

臨床試験の最終結果が出るまでは、この組み合わせ薬剤は癌医薬品基金に留まりますが、これは、2020年2月に出る予定です。
その時点で、NICEはNHSが治療に資金を提供するかどうかを決定します。
 
生活の質の向上 NICE医療技術評価センターの責任者であるメインデルト・ボイセン氏は、化学療法の必要性を延期または回避する治療薬は重要であり、
生活の質を向上させることができると患者から聞いたと述べました。

「彼らはまた、病気が進行することなく、より良い健康状態を維持することの重要性を強調しました。」  

【以下のウェブサイトより引用】
https://medicalxpress.com/news/2019-04-advanced-breast-cancer-drug-combo.html