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JapanRx / アルツハイマー病の初期の警告は目に現れるかもしれない

アルツハイマー病の初期の警告は目に現れるかもしれない

科学者たちは、アルツハイマー病のマウスモデルを使用して、疾患に関連する網膜の構成の変化を検出するためのイメージング技術を開発しました。

その状態の早期診断は、その進行を遅らせることに役立つ可能性があります。

アルツハイマー病協会(the Alzheimer’s Association)によると、米国では65歳以上の500万人以上がアルツハイマー病と共に暮らしています。

人口の高齢化を考えると、その数は2050年までに1,380万人に達すると予想されています。

薬物療法とメンタルエクササイズによる早期介入は、潜在的に疾患の進行を遅らせる可能性がありますが、医師が確定診断を下すことは難しい場合があります。

アルツハイマー病の明確な生物学的兆候、つまり「バイオマーカー」はありません。

代わりに、医師は認知機能低下の兆候の確認と、場合によっては脳スキャンを行います。

現在、ノースカロライナ州ダーラムにあるデューク大学の生物医学エンジニアは、2つの既存のテクノロジーを組み合わせて、目の奥の網膜にある疾患の兆候を検出する手法を考え出しました。

これまでのところ、彼らはこの手法をアルツハイマー病のマウスモデルでのみテストしています。

しかし、それが人間で機能することが示されれば、比較的、安価でコンパクトな使いやすいスクリーニング装置の開発につながる可能性があります。

 

脳への窓口

研究者たちによれば、網膜は事実上中枢神経系の延長であり、かつては脳への窓と見なされていました。

以前の研究は、網膜の薄化がアルツハイマー病の初期の兆候であることを明らかにしました。ただし、定期的な老化やパーキンソン病、緑内障などの他の疾患もこの薄化の原因となります。

光コヒーレンストモグラフィー(OCT)として知られている網膜の厚さを測定するために使用される技術は、超音波と光学的に同等なものです。

光の波を組織に送り、それらが戻ってくるまでにかかる時間を記録することで、網膜の断面画像を構築します。

ただし、OCTは装置間の違いや操作方法により、結果に一貫性がない可能性があります。

テクノロジーの欠点に対処するために、デューク大学の研究者はOCTを、『角度分解低コヒーレンス干渉法(a / LCI)』と呼ばれるイメージング技術と組み合わせ、網膜がどのように光を散乱して形態を測定するかを分析しました。

アルツハイマー病のマウスモデルでは網膜の最上層が病気のないマウスよりも粗く、より乱れていることが発見されました。

他の研究では、脳のアルツハイマー病を特徴づけるプラークが、神経線維層と呼ばれる網膜のこの層にも存在することがわかっています。

これらのプラークは、アルツハイマー病において網膜をより粗く、より可変的な質感にする独特の特徴の1つかもしれません。

 

簡単で安い

「私たちの希望は、この洞察を使用して、診療所だけでなく地元の薬局などの場所でも利用できる簡単で安価なスクリーニング装置を作成することです。」

とアダム・ワックス博士は言います。

彼は、デューク大学の生物医学工学の教授であり、大学院生のゲ・ソン氏が主導したこの研究の筆頭著者です。

「OCTだけでは、網膜に関する構成や構造についての情報を取得することはできません。」

とソン氏は説明します。

「両方の画像様式が必要です。それが重要なイノベーションです。」

 

ワックス博士らは、ルメディカ(Lumedica)と呼ばれるスピンオフ企業を通じて、開発している低コストのOCTデバイスに、a/ LCIテクノロジーを組み込むよう取り組んでいます。

 

既存のOCT装置はかさばり、重量は60ポンド(約27.2kgs)を超え、コストは50,000USドルを超えます。

ワックス博士によると、彼のデザインした装置の重さはわずか4ポンド(約1.8kgs)で、お弁当箱の大きさとほぼ同様、そして、小売価格は15,000USドル未満です。

「この研究は、嬉しいことに従来の網膜疾患を単にスクリーニングするだけでなく、低コストのOCTテクノロジーを使用する新しい方法を示しています。

 これらのデバイスを神経変性疾患の初期兆候を発見する窓口として使用できれば、人々が手遅れになる前に早期介入治療プログラムに参加できるようになるかもしれません。」

とワックス博士は述べています。

 

【以下のリンクより引用】

Eyes could provide early warning of Alzheimer’s

Medical News Today