電話: (050) 5534-5772

平日09:30~18:30(日本時間)

JapanRx / アルコール依存症は男性の脳により害を及ぼす

アルコール依存症は男性の脳により害を及ぼす

東フィンランド大学による新しい研究によると、男性はアルコールの長期的な悪影響により影響を受けやすいといいます。

研究者らは、少なくとも10年間多量の飲酒があった、23歳から28歳までの11人の男性と16人の女性を対象に調査を行いました。
この調査では、アルコールをほとんどまたは全く飲まない同年代の12人の男性と13人の女性を、これらの被験者と比較しました。

研究者らはまず、脳神経細胞を活性化させる磁気パルス(経頭蓋磁気刺激法、TMSとして知られる)による刺激に対する脳の反応を調べました。
次に、脳波検査で脳波を測定しました。

研究者らは以前の研究で、アルコール依存のない人よりもアルコール依存の強い人の方が大脳皮質でより大きな電気的反応を示すことを発見していました。
これは、脳の反応方法に長期的な変化があることを示します。

また研究者らは、男性と女性が異なる反応を示し、男性は磁気パルス(経頭蓋磁気刺激)に反応して脳内の電気的活動が大きく増加したことを発見していました。

研究の筆頭著者であるOuti Kaarre博士は、次のように述べています。
「女性よりも男性の方が、脳の電気的活動に大きな変化があることがわかりました。これとは真逆の予想をしていたため、この結果は驚きでした。
これは、長期間のアルコール摂取によって、男性の脳の電気的機能が女性の脳よりも大きく変化することを意味しています。」

研究者はまたこの脳波検査で、男性の脳のGABA(ガンマアミノ酪酸)の神経伝達に関連した電気活動が、女性の脳よりも大きいことを発見しました。

「総じて我々の研究は、アルコールが女性よりも男性において、電気的および化学的神経伝達の双方で顕著な変化を引き起こすことを示しました。
GABA受容体にはAとBの2つのタイプがあります。
長期のアルコール摂取は、男性には両方の受容体を通して神経伝達に影響しますが、女性には片方、GABA受容体Aのみが影響を受けます。

大量に飲酒をする若い男性と女性における異なる脳波パターンの発見は、確かにアルコール依存症の治療に重要な結果をもたらす可能性があります。

最新のアルコール依存症治療薬の一つにはGABA(B)受容体作動薬であるバクロフェンがありますが、複雑な臨床結果を示しており、これは本研究によって解明できる可能性があります。

出典:2017年9月4日更新『Alcoholism is ‘more damaging to male brains’』Health Spectator UK(2019年4月24日に利用)
https://health.spectator.co.uk/alcoholism-is-more-damaging-to-male-brains/