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脈打つ痛み「片頭痛」
トリプタン製剤が有効、7~8割の人が改善

脈打つ痛み「片頭痛」
トリプタン製剤が有効、7~8割の人が改善

ドクンドクンと脈を打つように痛む片頭痛。日本だけでも600~800万人ほど患者がいるといわれている。
日常生活に支障を来している患者も少なくないが、北里大学医学部(神奈川県)神経内科の濱田潤一准教授は「片頭痛の治療の基本は薬物療法。
かなり効く薬があります」と説明する。その"かなり効く薬"トリプタン製剤によって、7~8割の人が改善するという。

片頭痛は発作的にやって来て、ドクンドクンと脈拍と一緒に痛む。「片」という字が付いているが、頭の片側とは限らず、いつも同じ場所が痛むとも限らない。
頭痛に吐き気や嘔吐(おうと)を伴い、周囲がまぶしかったり、音をうるさく感じたりすることがある。歩行など日常のちょっとした動作で症状が悪化する。こうした症状は緊張型頭痛(関連記事)と異なる。

前兆として、突然目の前がまぶしくなり、もやがかかったようになる閃輝(せんき)暗点(関連記事)が15~30分くらい続き、その後に起きる人もいる。
過剰な睡眠、ワインやチョコレートなどを食べて誘発されることもある。何らかの誘因が分かれば、それを避けるのは当然だが、治療の基本は薬物療法だ。
治療薬には発作時用と予防的なものがある。軽い場合は、いわゆる痛み止め(非ステロイド抗炎症薬)を使うが、乱用に注意しなければならない。

症状がひどい場合はトリプタン製剤を用いる。点鼻薬、経口薬、自分で注射する皮下注射薬などがあり、使いやすいものを使う。制吐薬(吐き気止め)と併用すると、7~8割の
人に効果があるという。
何度も発作を起こすような人には予防的に薬を用いる。β(ベータ)遮断薬、抗てんかん薬、抗うつ薬といった種類の中に片頭痛に効く薬がある。痛くない日でも毎日飲み続けると、発作の回数が減る。効かないこともあるので、一つの薬を3カ月~半年間使い続けてみて、効かなかったら変える、といった治療を行う。

濱田准教授は「頭が痛かったら、軽いうちに薬を飲んでください。"ぼや"のうちに消さないと消えなくなるからです。ただし、漫然と痛み止めを飲み続けるのは良くないので、早めに神経内科や脳外科などの専門医の診療を受けるとよいでしょう」と助言している。

【記事元】http://kenko100.jp/articles/120914001671