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Wifi機器が妊娠率を低下させる

新しい研究によると、Wifi接続にさらされることで男性の生殖機能が低下し、精子が死滅することで夫婦の妊娠可能性が低下することがわかりました。
この結果は、電磁波が身体に有害であるという増え続ける証拠の信用性を増しています。

昨年8月から11月にかけて男性51人を対象に行われたこの日本の研究は、携帯電話や家庭用ルーターなどのWifi機器が発する電磁波が精子の動きや死滅に及ぼす影響に焦点を当てた最初の試みです。

山下湘南夢クリニック生殖医療研究所の中田久美子研究員は、電磁波は人間の心身の健康の観点から見て安全であると言われていると述べました。

しかし彼女の研究では、Wifi機器に長期間さらされることで、男性の生殖機能が低下することが示されました。

「私たちの研究では、比較的短期間の間、Wifiシールドによって電磁波の悪影響からある程度保護できることが示されました。」と彼女は言いました。

「しかし、精子に対する電磁波の影響が、人間の生殖に重大な影響を及ぼしているという証拠が多数存在します。」

この研究に参加した男性の平均年齢は38.4歳であり、山下湘南夢クリニックで体外受精または人工授精の処置を受けていました。

被験者より精子サンプルが採取され、精子サンプルがWifiルーターからの電磁波にさらされるグループ、電磁波を遮断する小さいシールドによって精子が保護されるグループ、精子が完全に電磁波にさらされるグループの3つに分けられました。

発生学と精子学を専門とする中田さんは、携帯電話を男性のズボンに入れて持ち運ぶように、精子サンプルをポケットWifiルーターの近くに置いたと言います。

精子はWifiルーターからの電磁波に、30分、60分、2時間および24時間の間さらされ、次いで精子運動テストが実施されました。

30分間と60分間さらされたグループでは精子の運動率に差はほとんど見られませんでしたが、この研究では、さらされる時間が長ければ長いほど精子の運動率が低下し、死亡率が上昇することがわかりました。

「24時間後、電磁波に全くさらされなかったグループの精子死亡率は8.4%であったのに対し、シールドを用いたグループは18.2%、完全に電磁波にさらされたグループは23.3%となり、後者が顕著に高い結果となりました。」と中田さんは言います。

科学者らは、化学物質や汚染、ストレス、不健康な食事などの要因の組み合わせにより、精子数と運動率は過去40年間で低下したと言います。

世界保健機関(WHO)は、21世紀には男女の不妊はがんと心血管疾患に次いで3番目に深刻な疾患になると予測しています。

世界人口の約60%を占める40億人が住むアジア太平洋地域において、この予測は非常に重要であることに専門家らは同意しています。

「私たちが生活、仕事をする環境では電磁波が密集しています。今の所、さらなる研究がなされるまでは、特に強力な機器から発せられる高い電磁波が存在する場所に住み、働いている人は、潜在的な問題を認識しておくべきでしょう。」と、田中さんは述べています。

本研究は、山下湘南夢クリニック生殖医療研究所と山梨大学生命環境学部の共同で実施されました。

この研究は、5月2日~5日の期間に香港で開催される太平洋生殖医学会(ASPIRE 2019)会議で共有されます。

この会議では、科学者や臨床医、発生学者、看護師、体外受精カウンセラーを含む約1,600人の参加者が、男性の不妊や不妊治療などの話題について話し合うことになっています。

この記事は、シンガポールの英語紙「ザ・ストレーツ・タイムズ」に初めて掲載されました。

出典:2019年5月1日更新 Asia One 『Trying for kids? Wifi devices lower your chances, new study shows』(2019年5月28日に利用)
https://www.asiaone.com/health/trying-kids-wifi-devices-lower-your-chances-new-study-shows