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SGLT2阻害薬:非定型DKAの徴候について

FDAはSGLT-2阻害剤を服用している患者に非定型糖尿病性ケトアシドーシス(DKA)を発症するリスクについて、2015年の警告を再発信しました。
現在、医薬品リスク評価委員会(PRAC)による要求で、この薬剤クラスの審査に欧州委員会が介入しています。
PRACは、ヒト医学の安全性についての審査責任のある欧州委員会で、ヨーロッパでは無害で効果的な医療を提供するための様々な勧告を行います。

2016年2月に、PRACは、一般的にSGLT-2阻害剤として知られるナトリウム - グルコース共輸送体2阻害剤の見直しを発表しました。
PRACはSGLT-2阻害剤で治療中の患者においてのDKAの例について医療従事者に警告しています。

SGLT-2阻害剤は、2型糖尿病患者への使用が承認されています。
この薬は、腎臓での受容体に影響を与えるといった独特の作用機序があります。近位尿細管におけるナトリウム - グルコース共輸送体2を阻害し、尿細管内腔から濾過グルコースの再吸収を減少させ、グルコースのための腎閾値を下げます。
その結果、より多くのグルコースが尿中に排泄され、患者は、血流中グルコース濃度がより低くなります。
SGLT-2阻害剤は、注射剤よりも錠剤であることが多く、そしてA1Cのレベルを1.0%から0.7%に下げるだけでなく、体重も減らせるので糖尿病の人々の間で人気があります。
現在、米国市場で入手可能なこの薬剤クラスは3薬で、カナグリフロジン(インボカーナ®)、ダパグリフロジン(フォシーガ®)とエンパグリフロジン(ジャディアンス®)です。これらは、メトホルミンとの併用薬としても使用できます。
ジグデュオ®はダパグリフロジンとメトホルミンとの組み合わせです。
シンジャディ®は、メトホルミンとエンパグリフロジンの組み合わせです。 Vokanamet®は、メトホルミンとカナグリフロジンの組み合わせです。

医療専門家は、SGLT-2阻害剤の薬を服用している患者にDKAの徴候や症状を伝えることは重要であるとしています。DKAの徴候としては過度の口渇、過度の排尿、吐き気、嘔吐、胃の痛み、焦点が合わない、すっぱい口臭、異常な倦怠感、眠気、口の中が甘かったり金属のような味覚がある、尿や汗の異臭、および体重減少などです。

DKAを発症している場合は、SGLT-2阻害剤の服用は直ちに停止し、薬がDKAの原因であった場合は、再投与は見送られます。
PRACも、患者が手術を予定したり、健康上の問題で通院している場合は、SGLT-2阻害剤療法を停止し、病状の回復後に再投与するように推奨しています。

PRACの推奨事項は、当局の最終意見を採用する、人間医学に関する質問を担当する、ヒト用医薬品委員会(CHMP)によって審査されます。
審査手続きの最終段階は、すべての欧州連合加盟国の勧告を採用する欧州委員会に委ねられます。

それにもかかわらず、発行された声明の中では、PRACは、DKAのリスクがあるにも関わらず、患者にはまだSGLT-2阻害剤療法を認め、薬剤の利益がリスクを上回るとの理由で、このクラスの薬がまだ2型糖尿病患者のためには有効な治療選択肢であることをサポートしています。

(記事元)http://www.diabetesincontrol.com/