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JapanRx / COVID-19に感染したがん患者に対する化学療法に「リスクはない」

COVID-19に感染したがん患者に対する化学療法に「リスクはない」

とある研究では、COVID-19を患うがん患者に化学療法および免疫療法による治療を継続しても、生存率へのリスクはないことが示唆されています。

また同研究では、一部の患者に効果があるように見られた医薬品であるヒドロキシクロロキンについて、さらなる研究を行うことが推奨されています。

英国やスペイン、イタリア、ドイツでCOVID-19に感染したがん患者890人から得られたこの調査結果は、コロナウイルスによるリスクが最も高い集団の特定に役立つ可能性があります。

乳がん患者の死亡率は、その他の患者と比較して半減しました。

この研究を主導したインペリアル・カレッジ・ロンドンの研究者は、ロンドンにあるハマースミス病院を含む欧州全土19か所の病院を対象に調査を行い、このような結果が出た理由を解明したいと考えています。

彼らはまた、研究対象となったCOVID-19に感染した英国のがん患者は、その他3か国の患者と比較して死亡率が高くなった理由についても、調査したいと考えています。


<がん治療を行っても安全である可能性がある>

インペリアル・カレッジ・ロンドンのの外科およびがん部門に勤め、この研究を主導したデイビッド・ピナート博士は、この調査結果について「懸念」を感じており、英国に対し「死亡率について認識する」ことを求めました。

現在のパンデミックは患者のがん治療へのアクセスに影響を与えており、一部のケースでは、ほんのわずかな「確固たる証拠」に基づいて、治療が延期、または完全に中止されています。

「この研究により、現状を公平に変える方法について、理解が深まりました。」と、ピナート博士は語りました。

化学療法や免疫療法などの治療は、COVID-19による死亡リスクを上昇させるようには見えなかったと、彼は付け加えています。

「すなわち、多くの場合、個々の患者の状況や危険因子によっては、パンデミック中にがん治療を行っても安全である可能性があるということです。」


<乳がんに関する疑問>

この件きゅでは、2月末から4月初めにかけて、COVID-19に感染したがん患者の3人に1人が死亡しました。

65歳以上でその他の健康障害を抱える男性は、ウイルスに感染した他のがん患者よりも状況がはるかに悪くなり、これは一般人口に対する危険因子と同様です。

しかし、乳がんを患う女性には、研究対象となった4か国すべてにおいて、ある程度の保護効果が見られました。
彼女たちの死亡率は、わずか15%だったです。
研究対象となった890人の内、男性患者は半数強であり、平均年齢は68歳でした。
また、内330人の患者は、進行性のがんを患っていました。
そして、400人以上が基礎疾患を抱えていました。

  • 53%が治療を受け、その内の4分の1が化学療法を受けていました。
  • 45%は、何も治療を受けていませんでした。

対象者の約80%が、コミュニティ内でウイルスに感染していました。

研究者によると、この研究の調査結果は、どのがん患者が最も影響を受けやすく、ウイルスから保護する必要があるのかどうかを判断する上で利用できるかもしれないといいます。

また、感染したがん患者を対象とした新たなCOVID-19治療(ヒドロキシクロロキンのような)に関するより多くの臨床試験を、すぐに実施する必要があると述べています。

この抗マラリア薬は、最近2件の研究が撤回されたことで、論争の的となっています。
研究者らは、この薬が死亡率を悪化させる可能性があることを示唆しています。

出典 2020年8月7日更新 BBC Health 『Chemotherapy in cancer patients with Covid-19 'not a risk'』 (2020年8月13日に利用)
https://www.bbc.com/news/health-53680802