40代女性ではマンモグラムが命を救う

2020年8月12日－マンモグラフィのタイミングに関する現在進行中の議論に加えて、新しい英国の研究では、40歳から49歳の女性の乳がん検診が命を救い、過剰診断はわずかしか増加していないことがわかりました。

「これは、50歳未満の女性での検査が命を救うことができることを確認する研究の非常に長期間のフォローアップです。」とロンドンにあるクイーンメリー大学の研究者であるスティーブン・ダフィー氏は述べました。

「利益は主に最初の10年間で見られましたが、死亡率の低下は長期的に見られ、検査を受けた女性1,000人あたり約1人の命が救われました。」

と彼は付け加えました。

今回の調査結果は、米国および世界中の乳がん検診に関するさまざまなガイドラインに拍車をかけたさまざまなデータに追加されました。

たとえば、米国では、影響力のある米国予防サービスタスクフォース（USPSTF）が、乳がんのリスクが平均的に高い女性が50歳でマンモグラムを撮りはじめ、74歳まで2年ごとに検査を繰り返すことを推奨しています。

専門家委員会は、50歳以前では、マンモグラフィが過剰な偽陽性を検出し、乳がんを「過剰診断」して、不要な費用と苦痛を引き起こす可能性があると考えています。

USPSTFによると、40代でマンモグラムを行うかどうかを検討している女性は、その問題について医師と話し合う必要があります。

ただし、アメリカがん協会は現在、40歳から44歳の女性が毎年マンモグラフィができるような「選択肢」を検討するようにアドバイスしています。

一方、45歳から54歳の女性は毎年検診を受けるべきです。

問題を解決するために、ダフィー氏のグループは英国の乳がん検診年齢試験のデータを調べました。

1990年から1997年の間に、39歳から41歳の女性160,000人以上が無作為に選ばれ、毎年マンモグラムを受けるか、50歳になるまで検査の開始を待ちました。

23年間の追跡データを見ると、研究者たちは、40歳〜49歳での検査が、最初の10年間の乳癌による死亡の25％の減少に関連していることを発見しました。

 

さらに、初期の検査から生じる過剰診断とされた癌の割合は、検査が50歳以上で始まったときにすでに見られた過剰診断の負担に加わっていないようでした。

検査技術の向上により、より早い検査が、今日さらに有益なものになるかもしれないことを意味するようだとダフィー氏は述べています。

「今では、この検査のトライアルの大部分が行われた1990年代よりも、より完全に、より良い機器で検査が行われているためこの研究で見られたよりも大きな利益が得られる可能性があります。」

と彼は理論付けました。

米国の2人の専門家は、マンモグラフィに関しては、早いほうが良いかもしれないことに同意しました。

「過去の他のいくつかの研究でも同様の結果が得られました。」

とニューヨーク州スリーピーホローにあるノースウェルヘルスガンインスティテュートの乳房手術を指揮するアリス・ポリス博士は述べました。

「しかしながら、この研究の規模はそれを際立たせ、乳癌との闘いにおける私たちの最高の武器である強力なマンモグラムがあることを強く印象付けてくれます。」

クリスティン・バーン博士は、ニューヨーク市のレノックス・ヒル病院の乳房画像検査の責任者です。

彼女は、「この研究での発見は、40歳でマンモグラフィ検査を始めることは命を救うという他の複数の研究が発見したことを実証しています。」と同意しました。

したがって、

「特に40代の女性では、腫瘍が小さく、体の他の部分に転移する前に診断がされることが非常に重要です。」

とバーン博士は述べました。

彼女はまた、「1990年代以降、マンモグラフィの技術が向上し、それが広がる前に、より多くの癌とより小さな癌を発見できるようになった」というダフィー博士に同意しました。

バーン博士は、次のように述べてます。

「乳がんにかかるほとんどの女性（75％〜85％）には乳がんの家族歴などの既知の危険因子がないのに、米国では8人に1人の女性が乳がんを発症します。これが40歳から毎年全ての女性がマンモグラム検査をする必要がある理由です。家族歴や乳がん発症のリスクを高める遺伝子変異などの危険因子がある場合は、より早くから行われる必要があります。」

 

このレポートは8月12日、The Lancet Oncology誌に掲載されました。

 

【以下のリンクより引用】

Mammograms in 40s Can Save Women's Lives, Study Finds

Healthday