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1日中座りっぱなしでいることは「新種の喫煙」?

専門家らは、仕事場や自宅で1日6時間以上座りっぱなしでいる人対し、その他の時間帯の身体活動を増やすよう警告しています。

過去の研究では、1日の大半を座って過ごすと、心血管疾患や2型糖尿病、がん、死亡リスクが上昇することが示されています。

研究者らは、10件に1件の死亡例は座りがちな生活習慣と関連しており、この数は年間69,276人に相当するとしています。

研究者らはこうした生活習慣がイギリスの国民保健サービス(NHS)へ及ぼす経済的な影響に関する見積もりを初めて作成し、これはおよそ7億ポンドであると主張しています。

しかし、この分析には筋骨格疾患や精子障害が考慮されていなかったため、実際の数字はこれよりも高い可能性があります。

この研究を率いたクイーンズ大学ベルファスト校のレオニー・ヘロン氏は、次のように述べています。
「健康を向上させ、保健サービスへの経済的負担を減らすために、座りがちな習慣を減らす対策を取る必要があります。」

しかし、グラスゴー大学のナビード・スタール教授は、この調査結果には疑問を抱いていました。

彼は次のように述べています。
「体調が悪くなると、人は座りがちになるのです。」

実際座りがちでいることは健康に悪影響を与えるように思われ、年間800,000件近くの死亡の原因となっている喫煙と同様の影響があることから、”新種の喫煙”であると称されることもありました。

バーミンガム大学で筋骨格の老化と健康の教授を務めるキャロリン・グリーグ博士は、イギリスのタブロイド紙「デイリー・メール」の取材に対し、次のように語りました。
「これは誇張した表現ではないと思います。」

「私たちの心身の健康のあらゆる面においてこんなにも影響を及ぼすものは他にありません。」


- 比べものにならない
しかし誰もが同意している訳ではなく、何人かの専門家は座っている時間が長すぎることのリスクは「喫煙に関連したリスクと比べると低い」と言っています。

昨年アメリカン・ジャーナル・オブ・パブリックヘルスに掲載された論文では、1日8時間以上座り続けると早期死亡リスクが10~20%増加することが示されました。

しかし、喫煙による早期死亡リスクの増加率は180%となっています。

南オーストラリア大学の疫学者であるテリー・ボイル博士は、次のように述べています。
「純然たる事実として、喫煙は過去100年の中で、公衆衛生に対する最大の脅威の一つです。座りがちな生活習慣によるリスクとは比較になりません。」

「第一に、喫煙に関連した慢性疾患や早死のリスクは、座りがちな生活習慣によるリスクよりもはるかに高くなります。」

「座っている時間が長い人の心血管疾患やがんのリスクは約10~20%上昇しますが、喫煙者の心血管疾患やがんによる死亡リスクは倍以上となり、肺がんにおいてはリスクの上昇率は1,000%となります。」

「第二に、喫煙に起因する疾患によって引き起こされる経済的影響や死亡者数は、座りがちな生活習慣によるものよりもはるかに大きくなります。

「最後に、座りがちな生活習慣は喫煙とは異なり、中毒性があったり、他人に害を与えたりしません。」

「喫煙と座りがちな生活によるリスクを同等視することは、明らかに不当で誤解を招く可能性があり、喫煙関連リスクの矮小化を促すだけです。」

出典:2019年5月26日更新 The Sun 『Sitting all day is ‘new smoking’ – as 70k lives lost to couch potato lifestyle』(2019年5月31日に利用)
https://www.thesun.co.uk/news/8718492/sitting-six-hours-day-kills-70000-year-costs-nhs-700m/