芸術をたしなむことが長生きを助けるかもしれない

(ロイターヘルス)- 英国の研究によると、アートギャラリーや美術館を頻繁に訪れ、演劇鑑賞やコンサートに出向く高齢者は、そうでない人よりも長生きする可能性があるようです。

ロンドン大学の研究者は、他のさまざまな健康および社会的要因を考慮した後でも、芸術活動に定期的に携わる50歳以上の人々は、そうでない同年代の人よりも14年間のフォローアップ中に死亡する可能性が31%低いことを発見しました。

芸術関連の活動に1年に1、2回しか参加しなかった人は、この研究中に死亡する確率は14%低いままでした。

「これらの研究結果は、以前の統計分析と、年齢を重ねるにつれて芸術にかかわることには利点があることを示す人類学的研究を裏付けています。」

と、ロンドン大学の心理生物学および疫学の准教授であり、研究の共著者であるデイジー・ファンコート氏は述べています。

 

「ここに示された関連性は未確認の交絡因子の結果である可能性がありますが、社会経済的、人口統計学的、健康、社会的、そして行動的要因の広い範囲で管理した場合でも、その関連性が維持されることを示しています。」

と、ファンコート氏は述べました。

この研究の結果は、芸術が精神的健康を改善し、社会関係資本を強化し、孤独や、座りがちな生活スタイルを減らすことで、長生きに一役買うかもしれないということを示した以前の研究と一致していると著者は指摘しています。

「この研究はより長期間で追跡調査を行ったより大規模なサンプルにおいて、同じパターンを示しています。」

とファンコート氏は述べました。

 

著者らは、この長期的な老化研究に参加した2002年の時点で50歳以上であった6,710人について、全国的なサンプルのデータを分析しました。

 2004年から2005年に、研究参加者は芸術に携わる頻度が調査され、彼らの習慣、背景、教育、財政状況、社会生活に関する多くの質問がなされました。

国民保健サービス(NHS)の記録を使用して、研究者は2018年まで参加者を追跡しました。

その時までに、約30%が死亡していました。

全体的に、男性は、未婚の人、財産の少ない人、現在働いていない人と同様にその可能性が高く、死亡率は、うつ症状、がん、心臓病などの健康状態があった人の間でも高かったと著者らは記しています。

死亡した人では、年に1回または2回、芸術関連の活動に参加していた26.6%、そしてより頻繁に芸術に携わっていた人の18.6%と比較して、47.5%が芸術活動に従事したことがないと述ベていました。

 

ファンコート氏は、この研究結果は芸術の健康上の利点に関する研究のより広いコンテキストに繋がるものだと述べています。

特に多くの国が身体と精神の健康をサポートするために「処方箋に基づいて」芸術を推奨しているということを考慮しての発言です。

 

シカゴのノースウェスタン大学のジェニファー・ノバク-レナード氏は、次のように述べています。

「芸術と関わることは、想像力や創造性を刺激し、育成し、意味のあるストーリーを賞賛し、社会的なつながりが生まれ、社会資本を構築し、私たちに挑戦する機会や新しい知識やアイデアに触れる機会が生まれます。」

この研究結果は、芸術への参加が最終的に生活の質だけでなく量をも改善する可能性があることを示唆しているとノバク-レナード氏は述べましたが、この論文は芸術への参加が死亡率をどのように減らすかについての洞察を提供するものではありません。

「報告された影響により死亡率にかなりのインパクトがあることを考えると、この研究は興味深いものですが、ほとんどの関連研究と同様に、この研究は回答よりもより多くの疑問が提唱されています。」

この研究では、青年期に芸術に関わることでの影響など、重要であることが知られている芸術への参加といった側面については調査されていなかったと彼女は述べました。

 

「この研究は芸術活動に出向くということだけでなく、それに従事する動機についても焦点を当てています。」

とノバク-レナード氏は述べています。

 

【以下のリンクより引用】

Engaging with the arts may help you live longer

Reuters