研究:糖尿病薬の心不全に対しての保護効果

 当地で販売されている糖尿病治療薬が、心不全の予防に有意であることがわかったことは、シンガポール45万人いるといわれている糖尿病患者にとっては生活の質の向上につながることが予想されます。

市場に出回る3つのSGLT2(ナトリウムグルコース共輸送体)阻害剤の1つであるアストラゼネカのフォシーガ(Forxiga)の大規模な臨床試験では、糖尿病患者の心不全による入院が17%減少することが判明しました。

シカゴで開催された米国心臓病協会による3日間の科学的会議の初日であった、先週の土曜日には、33カ国の17,000人以上の糖尿病患者への4年以上に渡る研究結果が発表されました。
糖尿病のあるアジア人は、白人よりも心不全を発症する危険性がはるかに高く、この疾患はしばしば入院を余儀なくされます。

プライベートプラクティスの心臓専門医であるペーター・ヤン博士は、Straits Times紙に、糖尿病のあるアジア人は、白人と比較して心不全のリスクが3倍高いと語りました。
彼の患者10人のうち6人が何らかの形の糖尿病を抱えています。

この研究では、ダパグリフロジンとも呼ばれるフォシーガ(Forxiga)が既に心不全に罹患している糖尿病患者と、そうでない糖尿病患者の両方を助けることができたことが判明しました。
心不全の患者では入院が21%減少しました。
一般的に、糖尿病と診断されてから5年以内に約70%の糖尿病患者が心不全になりますが、一部の患者では何の症状も示されないことがあります。
心不全のない糖尿病患者では、フォシーガはこの病気での入院率を16%低下させました。

血糖値をコントロールするために使用される経口糖尿病薬のフォシーガは、保健省による補助があります。
患者はまた、外来患者の慢性疾患管理プログラムの下でメディセーブ(国民保険)を使用して、その薬剤を支払うことができます。
1錠のダパグリフロジンの錠剤は補助金が支給される前には1.36シンガポールドルの費用がかかり、補助金によりその費用は半額から4分の3程度削ることができます。

ラッフルズ病院の内分泌学者であるスタンレー・リュー氏は、試験において、この薬物が「心不全の入院率を低下させた。」としているため、心不全のない患者にこの薬を使用することは考慮する必要があります。
同氏は、「入院や心血管死を減らし、幅広い使用を支持する安全性プロファイルにおいて、2型糖尿病患者の多様なグループの中で重要な医学的必要性に取り組むのに役立ちます。」と述べました。  

シンガポール国立大学ハートセンターのタン・フェイチム教授はこの結果を歓迎しています。
彼は心不全は糖尿病患者において心臓発作よりも一般的であるため、症状を予防できることはすべてにおいて良いと述べています。
彼は、糖尿病患者が非糖尿病患者よりも心不全で死亡する可能性が1.5倍高いと述べました。
また、タン氏は、糖尿病患者が心不全に罹る可能性は2.4倍高く、糖尿病患者ではリスクが5倍になると付け加えています。

ヤン博士は、会合において、内分泌学者と心臓専門医の両方が、フォシーガが大部分の糖尿病患者を助けることができることに同意したと語りました。
また、彼は次のように述べています。
「SGLT2阻害剤のクラスは、心不全の入院を減らすのに非常に強力であり、それは糖の制御とはまた別に独立した作用のようです。」
また、この薬剤は腎臓病を24%も減らすことができました。
しかし、糖尿病患者の心血管死、脳卒中または心臓発作において、より良い予防薬となることを示すことはできませんでした。