研究により膵臓癌治療のための新しい標的が見つかる

ヒト膵臓癌の瘢痕組織を詳細に調べる世界初の研究では、臨床医がどの患者が特定の治療に最も効果があるかを予測するのに役立つ可能性のある様々な種類の瘢痕組織型が明らかになりました。

ロンドンのクイーンメアリー大学と癌研究所、パリのボージョン大学病院(INSERM)、およびBarts Healthという NHS(国民健康サービス)トラストが主導するこの研究は、癌を保護し、その治療を困難にしてしまう組織壁の強力な瘢痕を標的とする免疫療法を含むオーダーメイドの治療につながる可能性があります。

ロンドンのクイーンメアリー大学とBarts Health NHS トラストの共同主任研究員であるヘマント・コッハー教授は次のように述べています。
「膵臓癌患者の治療の新たな潜在的標的を見出せたということに興奮しています。それは腫瘍体積の90%を占める瘢痕組織は膵臓癌の治療における大きな障壁でありそれはまだあまりよく理解されていません。私たちの継続的な使命は、瘢痕組織が癌の行動にどのように影響するかを完全に理解することです。」

英国では毎年約9,800人が膵臓がんと診断されています。
瘢痕組織は、それがあらゆる種類の癌からの腫瘍体積の最大の割合を占める、この疾患においての特定の問題です。
強靭な瘢痕組織は癌の周囲に保護壁を形成し、化学療法、免疫療法または放射線療法などの治療を妨げます。
それが膵臓癌がすべての癌の中で、患者の5年以上の生存率が5%未満という最も低い生存率という、悪性の疾患である原因となっています。

英国、ドイツ、オーストラリアの16人の患者、および外科的に切除されたフランスからの50個の腫瘍からの膵臓癌サンプルを調べることによって、少なくとも4つの異なるタイプの瘢痕組織があり、それぞれが異なる方法でがんに影響を与える可能性があるということが、医療誌『Journal of Pathology』に発表された研究で示されています。

ロンドン癌研究所の癌医学のシステムと精度研究のチームリーダーである、アングラフ・サダナンダム博士は、次のように述べています。
「私たちは複雑なコンピューター解析を用いて、膵臓癌の治療を非常に困難にする、高密度瘢痕組織を調べました。」
「我々の新しい研究における4種類の瘢痕組織を特定することは、膵臓癌において瘢痕組織と腫瘍細胞がどのように相互作用するのかをよりよく理解するのに役立ち、それがこの壊滅的な疾患に取り組む方法についての新しい洞察となります。」
「私たちの研究は新しく、オーダーメイドされる薬の開発への道を開く手助けとなるかもしれず、将来的に膵臓癌の患者さんに最も効果的な治療法を提供することができるかもしれません。」

4種類の瘢痕組織のうちの1つが、感染と戦う細胞である免疫細胞に特に魅力的であるかもしれないという初期の兆候が見られるため、将来の研究では、この瘢痕組織型を持つ患者が潜在的に免疫療法により、効果を得ることができるかどうか検討される可能性があります。
どのタイプの瘢痕組織がその患者において支配的であるかを見出すということは、うまくいく治療法とそうでない治療法を臨床医に示すことができる可能性があります。

この研究は、研究者が特定の患者のためにオーダーメイドの新しい治療法を開発する道を開くものです。  

【以下のウェブサイトより引用】