ラパマイシンはショウジョウバエの腸内細菌叢とは無関係に組織老化と寿命を調節する

FDA承認薬であるラパマイシンは、多様な種の寿命を延ばし、哺乳類の加齢関連疾患の発症を遅らせることができます。
しかし、ラパマイシンが加齢に関連した病態生理や寿命に変化を及ぼすメカニズムに関しては、基本的な疑問がいくつか未解決のまま残されています。

腸内微生物叢の変化は、宿主の生理機能、代謝および寿命に影響を与える可能性があります。
最近の研究では、ラパマイシンによる治療により高齢の動物の腸内細菌叢を変化させることが示されましたが、ラパマイシン治療と細菌叢、加齢の間の因果関係は分かっていません。

私たちの研究ではモデル生物としててショウジョウバエを使用したところ、高齢のハエにおけるラパマイシン治療による細菌叢の変化は、腸や筋肉の老化におけるマーカーの改善と関連していたことが示されました。
しかし、批判的に言えば、組織の老化や寿命に対するラパマイシン治療の有益な効果は、微生物叢には依存していないことが示されました。

事実、無菌のハエは、腸管バリア機能不全の発症が遅れ、老化した筋肉におけるプロテオスタシス(タンパク質の恒常性)の改善、ラパマイシン治療による有意な寿命の延長を示しました。
対照的に、自食作用の遺伝子抑制は、ラパマイシン腸の健康促進や老化におけるプロテオスタシスの調節作用を阻害しました。

私たちの研究結果では、高齢生物におけるラパマイシンによる細菌叢の調節は、生物や組織の老化を遅らせるために必要ではないことが示されました。

出典: 2019年5月24日更新 Scientific Reports 『Rapamycin modulates tissue aging and lifespan independently of the gut microbiota in Drosophila』一部抜粋(2019年6月24日に利用)
https://www.nature.com/articles/s41598-019-44106-5