シェーグレン症候群の治療にmTORシグナル伝達経路の遮断が示される

新らしい研究によると、「mTORシグナル伝達経路」を標的とすることが、原発性シェーグレン症候群(pSS)患者の唾液腺における、
免疫細胞の活性の増加を妨げる可能性があります。  

この研究は、下記のタイトルのもとRMD Open誌に掲載されました。
「シェーグレン症候群の患者からの唾液腺B細胞およびT細胞におけるmTORC1活性化の増加:
免疫病理を止めるための新しい治療戦略としてのmTOR阻害剤」  

免疫B細胞の過剰な活性は、pSSの顕著な特徴で、体自身の組織を標的とする自己免の形成、
および唾液腺におけるB細胞数の増加などが見られます。

mTOR経路は、T細胞およびB細胞の成長、生存、そして増殖を調節します。
 mTOR複合体1(mTORC1)は、酵素mTORを組み込み、タンパク質の産生、細胞の増殖と成長およびその代謝において役割を果たします。

慢性関節リウマチや全身性エリテマトーデスなど、B細胞が積極的な役割を果たす他の自己免疫疾患では、mTORを遮断すると免疫細胞活性が著しく低下します。
しかしpSSにおけるこの経路の役割は研究されていませんでした。

そのため、オランダのユトレヒト大学メディカルセンターの研究者らは、このギャップに対処し、
mTORを標的とすることが治療の可能性を秘めているかどうかについて分析を行いました。
この研究には、pSSの患者13人(女性10人、平均年齢52歳)、ドライアイとドライマウスの症状があるがpSSではない17人、(全員女性、平均年齢53歳)、そして9人の健康な人(全員女性、平均年齢57歳)が含まれていました。

研究者らは、mTORC1活性はシェーグレン症候群の患者からの循環免疫細胞において、より低いことを確認しました。

しかしながら、唇唾液腺内の免疫細胞ではより高いmTOR活性が示され、これはB細胞の活性過剰と相関していました。

「私たちは循環B細胞におけるmTOR活性の低下が、活性化B細胞の唾液腺への遊走を反映する可能性があると仮定しました。」
と科学者らは述べました。  

チームはそれから、循環中の免疫細胞の活性化がmTOR活性を増加させ、mTOR活性化がB細胞といくつかのT細胞の分裂率を増加させた、
というさらなる証拠を確認しました。

これはまた、炎症性アクチベーターインターフェロン(IFN)-γおよびIgG(最も一般的なクラスの抗体)の産生にも関連してました。

したがって、mTOR活性を遮断する抗生物質化合物であるラパマイシンは、これらの免疫サブセットの増殖を減少させ、
そしてIFN-γとIgGの産生を低下させます。

科学者らは次のように述べました。

「私たちのデータは、pSSにおいて、『B細胞の活動亢進におけるmTOR活性の役割』を示しており、この疾患に対する新たな潜在的治療としてmTOR阻害剤を同定しています。」

「そのため、pSS患者において“好ましい毒性プロファイル”があるmTOR阻害剤を用いた併用療法の有効性の研究が引き続き行われるべきです。」  

*この記事は、2019年3月5日に「Sjogren's Syndrome News(シェーグレン症候群ニュース)」に掲載されました。

【以下のウェブサイトより引用】