イベルメクチンでの集団治療で疥癬の流行が減少

New England Journal of Medicine誌の12月10日号に掲載され新たな研究結果によると、地域全体への経口イベルメクチンの投与が効果的に、疥癬や膿痂疹の罹患率を減少させることができます。

「多くの資源に乏しい環境設定において、特に熱帯地域では、疥癬は、細菌皮膚感染症を引きおこす主要な原因となります。そして、大量の薬剤投与は、疥癬が風土病である国々においての重要な治療戦略として有望です。」
と、オーストラリアシドニーにあるニューサウスウェールズ大学のカービー研究所、ルチアロマーニ博士と博士のグループが記述しています。

スキンヘルスフィジートライアル(SHIFT)の比較研究の一環として、研究者は2012年9月と2013年9月の間にランダムに3つの異なる疥癬治療プロトコルの治験をフィジー島のコミュニティで行いました。
治験参加者のグループ分けは下記の通りでした。
*疥癬のある患者や身近に疥癬の患者がいる者へペルメトリンの局所薬を投与。
*疥癬のあるなしにかかわらず、ペルメトリン局所薬を大量投与。
*疥癬のあるなしにかかわらず、イベルメクチン経口薬を質量で投与(200μg/ kg体重)

グループの割り当てに応じて、治験開始時点で疥癬であった参加者には、7〜14日後に第二回目のペルメトリンまたはイベルメクチンが投与されました。15キロ未満の子供達、妊娠中の女性、神経疾患のある者、またはイベルメクチングループに割り当てられた、チトクロームP-450経路の機能障害のある参加者は、代替としてペルメトリン局所薬が投与されました。
ベースラインで膿痂疹とすべての参加者はまた、医療機関で抗生物質治療が施されました。

研究者らは、治験開始時点から12ヶ月の疥癬の有病率は標準治療群では36.6%から18.8%になり、ペルメトリン群では41.7%から15.8%に減少したことがわかりました。
最大の減少はイベルメクチン群で確認され、32.1%から1.9%になりました。
ベースラインでの疥癬の重症度は3つのグループ間ですべて同様でした。

イベルメクチン群で見られる最大の減少と同様の結果が、膿痂疹の減少でも見られました。

罹患率は標準治療群では21.4%から14.6%に、ペルメトリン群では24.6%から11.4%に、イベルメクチン群では24.6%から8.0%に減少しました。

かゆみや頭痛が最も一般的な有害事象ですが、これは、ペルメトリンでの治療群と比べ、イベルメクチン群でより頻繁に報告されました。

著者らは、本島社会での個々の活動の違いが、再寄生に繋がっている可能性があり、したがって、治療効果が感知されることが減少していると認識しています。彼らはまた、治験は、介護がより高いレベルの治験であったために標準治療群で偏った結果となっていることに注意を促しました。

また、研究著者は「SHIFTは疥癬の制御のための証拠となる重要なすきまを埋めますが、効果の確認は、島よりも大きな集団で評価される必要があります。」と結論付けています。

(記事元)http://www.medscape.com/viewarticle/856375