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関節炎の痛み:手術前に試したい3つ新治療法

関節炎患者は、慢性疼痛と共に生活するか、手術を受けるか、2つのオプションに迷います。実際のところ関節炎の痛みは、18歳以上のアメリカ人における身体障害の主要な原因となっており、50歳を超える全成人の半数に認められます。人工膝関節や股関節の置換手術は程んど耐久年数がわずか10年から15年までの期間です。若者では生涯に複数回の手術が必要になることがあるため、もし若年患者が気楽にそれを無視してしまうと、医師はこうした置換手術を若者には施行したがりません。
40代、50代、及びそれ以降も活動的でいられるように、団塊世代をはじめとする人々に役立つような非外科的オプションを研究者らが検討しているので、幸いなことに、現状は希望に満足しています。ここでは、手術前に試すべき関節炎の新しい治療法は以下の3つのとおりです。

1. プロロセラピー (Prolotherapy)

プロロセラピーは1950年代から1960年代に発明されましたが、より侵襲的な治療法が支持されて、何十年も見落としました。そのプロロセラピーがふたたび再復活となり、古い治療法がまた来る典型的な例となりました。先駆者となったのは手術を用いた成功に満足できなかったオハイオ州の外科医ジョージ・ ハケット(George Hackett)氏でした。プロロセラピーとは、関節炎における関節や、損傷した関節の周りの結合組織に連続的な注射をすることで、 身体自らの炎症への治癒反応を引き出そうとしたものです。
作用する仕組み:ブドウ糖を基剤とした溶液を、損傷した関節(膝、脊椎、股関節部、肩、または手)周囲の腱および靱帯内に注入します。これにより炎症を 起こさせ、その結果として靱帯・腱・軟骨の再生を身体に刺激し、関節は支えられて安定することになります。これは、一晩で解決するものではなく、結果を出すには通常 4~6週間ごとの治療を6ヵ月から1年間までに続けます。
理由は信じます:長年にわたって、プロロセラピーに関する研究からは一定の結果を得ることはできなかったため、主流の医師の間でその有効性が疑い深くて、支持されること はできませんでした。一部の保険会社は、それが実験的なものであるとみなし、保険をカバーしていません。
一方、最近の症例報告的な臨床的証拠では、十分に説得力のあるものが 得られており、プロロセラピーは手術またはコルチゾン注射の代替法として、脊椎と関節炎の病院医師や整骨医にますます提供されています。権威あるメイヨークリ ニック(Mayo Clinic)とハーバード大学医学部(Harvard Medical School)も、現在プロロセラピー治療を提供しており、セラピストとも言われる治療専門家の技術を磨いています。
さらに、厳しい研究が過去10年間に再び実施されており、膝の変形性関節炎に対するプロロセラピーの無作為化二重盲検プラセボ対照試験がいくつかの発表されるとともに、現在進行中の試験もあります。カンザス州カンザスシティーのベサニー医療センター(Bethany Medical Center)が実施した1件の研究では、12ヵ月間の治療後、患者らの痛みは44%減少し、腫れは63%軽減し、膝のゆがみは85%減少し、膝の可動範囲 は14度広がったなどの経験をしたことがわかりました。ウィスコンシン大学(University of Wisconsin)のデイビッド・ラバゴ(David Rabago)医師の率いるチームは、現在進行している共同研究プロジェクトに従事しています。この研究はプロロセラピーを受けた患者を対象にMRI(磁気共鳴画像)を用い て追跡調査して、プロロセラピーの結果に基づいて立証できる膝の構造的改善を記録するものであります。

2. ヒアルロン酸を用いた関節内の補充療法

作用する仕組み:膝の関節炎の痛みを緩和させる比較的新しい方法に関節内の補充療法(ヒアルロン酸療法)があります。これは膝関節にヒアルロン酸系薬物 (商品名シンビスク[synvisc]、ヒアルガン[hyalgan])を注入する治療法です。ヒアルロン酸は関節を囲む滑液中に自然発生する物質で、潤滑油として作用し、骨が互いに円滑に動くことを可能になります。また、関節の緩衝剤のような役割も果たします。
理由は信じます:元々、ヒアルロン酸療法では年以上持続し、一時的な症状緩和しか得られないと考えられていましたが、最近の研究で関節内の補充療法により、関節の悪 化率を有意に減少させられるほか、手術が必要となるまでの期間を延長させられることができるように証明しました。実際、過去10年間に実施された複数の研究で、手術よりはるかに侵襲性の低い関節内の補充療法は、膝の変形性関節炎に対して最高90%まで有効であることが明らかにされています。
回復時間はほとんどないか全くなしで、外来診療で実施されることから、患者に好まれています。保険会社は、医療費10,000~30,000ドルする人工膝関節の置換術に対して、対照的に平均800~1,000ドルと安価な関節内の補充療法に惹かれています。FDA(米国食品医薬品局)は関節内の補充療法を膝の変形性関節炎に対してのみ承認していますが、研究者らは足首および股関節部への使用についても現在検討しています。現在、多くの医師は患者に複数の反復治療をしていますが、これはヨーロッパではしばらく前から人気を集める一般的なアプローチとなっています。現在ヨーロッパでは一部の関節内の補充薬が足首の変形性関節炎の治療に認可されていますが、米国ではこの適応ではFDAの認可は得られていません。

3. 抗炎症クリームに関する処方

2007年に変形性関節炎に対する初めての処方局所抗炎症治療薬がFDAに認可されました。特に手関節、手首、指、足、膝などの皮膚の表面に近い関節における関節炎に対する治療オプションとして迅速に人気でした。
作用する仕組み:ジクロフェナク・ゲル(商品名ボルタレン)は、アスピリンや、イブプロフェン、ナプロキセンに似た非ステロイド性抗炎症薬 (NSAID)である経口ジクロフェナクナトリウムの外用タイプである。その違いは送達システムにあります。ゲルを皮膚に塗布することで、消化器系ををバイパスすることになり、NSAIDによる耐えがたい胃腸障害や、胃の出血や潰瘍のリスクなどのたくさん問題が回避できます。活性成分の一部は血流に入り込みますが、ゲルか らの吸収は経口薬よりも94%未満、と専門家らは説明しています。
理由は信じます:最近の複数の研究から、外用ジクロフェナクは痛みを45%から50%まで軽減することが明らかにされています。ゲルは、老齢の患者やNSAIDが推薦しない心臓病リスクのある患者にとって安全な代替薬でもあります。
注記: 最近人気となる外用クリームには、変形性関節炎の治療として、唐辛子の辛味成分からなるカプサイシン・クリームがあります。カプサイシン・ クリームは、処方なしで店頭で販売されているほか、商品名Zostrix、Arthricare、Trixaicinという処方薬も販売されています。元々 は帯状疱疹の痛みや神経痛を和らげるのに用いられていましたが、関節炎にも効くことが明らかにされています。特に皮膚の表面近くに関節の痛みに効く傾向が強いです。(従って外用クリームは股関節部の関節炎にはあまり効果はありません)。 カプサイシンは徐放性貼付剤のタイプ(パッチやパッド)も販売されています。
注意:2009年にジクロフェナクナトリウムに肝臓毒性との関連があるという警告をFDAが発行しましたが、この問題は主に経口剤型を服用している患者に認められました。スタチンや、メトトレキサート、その他の経口NSAIDなどの肝臓に影響を及ぼす薬剤を服用する患者は、肝臓疾患のリスクを減らすため、必ず担当医師にそのことを報告することです。
現在FDAは、ジクロフェナクを4~6週間にわたり、使用した後は肝機能検査を受けるよう推薦します。なお、多い変形性関節炎の患者は、主に短期的に関節炎再発に対してジクロフェナクのゲルを使用することになりますが、この場合は監視が必要かどうか医師に尋ねてみることです。

(記事元)
https://www.caring.com/articles/3-new-treatments-for-arthritis-pain