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JapanRx / 肥満を治療するためのゲームチェンジャーとなる薬剤は体重を20%削減

肥満を治療するためのゲームチェンジャーとなる薬剤は体重を20%削減

UCL(ユニヴァーシティ・カレッジ・ロンドン)の研究者が参加した主要な世界的研究によると、肥満を治療するために新薬を服用した人の3分の1(35%)が総体重の5分の1以上(20%以上)の減量ができたことがわかりました。

ニューイングランドジャーナルオブメディシンに本日発表された大規模な国際試験の結果は、新薬が肥満の人々の健康を改善するための「ゲームチェンジャー」が歓迎されており、それは英国がCOVID19などの病気への影響を削減することに大きな役割を果たす可能性があります。

その薬剤、セマグルチドは、脳内の体自身の食欲調節システムをコントロールし、空腹感とカロリー摂取量を減らすことによって機能します。

UCLの肥満研究センターとUCLH体重管理センターを率いる、肥満、糖尿病、内分泌学の教授であるレイチェル・バターハム博士は、16カ国で約2,000人が参加したこの研究論文の主要な著者の1人です。

バターハム博士は次のように述べています。

「この研究の結果は、肥満の人々の健康を改善するための大きな進歩を表しています。セマグルチド2.4mgを投与された人々の4分の3(75%)は、体重の10%以上を落としました。そして、 3分の1以上が20%以上減量しました。

このレベルの減量の実現に近づけた薬剤は他にはありません。

これは本当にゲームチェンジャーです。

初めて、人類は減量手術によってのみ可能であったことを薬剤によって達成することができるのです。」

バターハム博士は次のように付け加えました。

「肥満は心臓病、2型​​糖尿病、肝臓病、特定の種類の癌など、寿命を縮める重篤な疾患のリスクを高めると同様に、COVID19ウイルスによる死亡リスクの著しい増加に影響を与えるということに焦点が当てられました。この薬は、今後数年間、英国の健康政策に大きな影響を与える可能性があります。」

試験の平均的な参加者は15.3kg(ほぼ3ストーン)の減量に成功しました。これは、腰の周囲、血中脂肪、血糖、血圧などの心臓病や糖尿病の危険因子の減少をも伴うため全体的な生活の質の改善が報告されました。

 

この試験の英国主任研究員であるジョン・ワイルディング教授(リバプール大学)は次のように述べています。

「これは肥満の治療における重要な進歩です。セマグルチドはすでに承認されており、糖尿病の治療のために低用量で臨床的に使用されているため、医師としては、すでにその使用には精通しています。

私は1990年代にハマースミス病院勤務の際にGLP1が食欲に影響を与えることを実験室で最初に示した、GLP1のごく初期の研究に携わっていたため非常に嬉しく思います。これが肥満の人々にとって効果的な治療法に変換されるのを確認できてよかったです。」

この試験からの証拠により、セマグルチドは、肥満の治療薬として規制当局の承認を得るために、国立臨床優秀研究所(NICE)、欧州医薬品庁(EMA)、および米国食品医薬品局(FDA)に提出されました。

 

試験について

第III相「STEP」ランダム化比較試験は、太りすぎまたは肥満(平均体重105kg /16.5石;BMI 38kg / m2)の成人1,961人を対象とし、アジア、ヨーロッパ、北アメリカ、南アメリカの16カ国、129か所で開催されました。

参加者は、皮下(皮下)注射により、毎週2.4mgのセマグルチド(または対応するプラセボ)を摂取しました。これは、糖尿病患者がインスリンを注射する方法と似ています。

全体として、参加者の94.3%が2018年秋に開始された68週間の調査を完了しました。

試験参加者はまた、登録栄養士から4週間ごとに個別の対面または電話によるカウンセリングセッションを受け、カロリーを減らした食事や身体活動の増加といったガイダンスを行い、行動戦略と動機付けを助けました。

さらに、参加者は、進捗状況と指標をクリアするため、ケトルベルやフードスケールなどの提供を受けました。

セマグルチドを服用している人の平均体重減少は15.3kg(ほぼ3ストーン)で、BMIは5.54ポイント減少しました。

プラセボグループは、平均2.6kg(0.4ストーン)の体重減少が見られBMIは0.92ポイント減少しました。

セマグルチドを服用した人は、胴囲、血中脂肪、血糖値、血圧などの心臓病や糖尿病の危険因子の減少も見られ、全体的な生活の質の改善が報告されました。

 

 

薬剤について

セマグルチドは、2型糖尿病の患者に使用することが臨床的に承認されていますが、通常は1mgという大変低い用量で処方されます。

この薬剤は、食事の後に腸から血中に放出されるヒトグルカゴン様ペプチド-1(GLP-1)ホルモンに構造的に類似し、それを模倣した化合物です。

GLP-1は、空腹感を減らし、満腹感を高め、それによって人々が食事の量を減らし、カロリー摂取量を減らすのを助けることで体重の減少を誘発します。

STEP試験は第I相および第II相試験を経て、安全性について2.4mgの用量を評価しています。第III相試験では、一部の参加者は、軽度から中等度の悪心、および下痢を含む薬剤の副作用を報告しました。 しかし、これらは一過性であり、試験を注視することなく一般的には副作用は解消されています。

 

【以下のリンクより引用】

'Gamechanger' drug for treating obesity cuts body weight by 20 percent

ScienceDaily