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コロナウイルスのアウトブレイクが減速している可能性を示す一つの要因

中国の武漢でコロナウイルスが発生し始めてから7週間以上が経ちました。
それ以来、少なくとも2,250人が死亡し、76,000人以上が疾患を発症しています。

ウイルスは継続的に拡散していることで、明らかな疑問が生じます。
これはいつ終息するのでしょうか?

中国疾病管理センターの最近の研究では、中国国内での疾患は、症状が出始める患者数が最大となった2月1日にピークに達した可能性があることがわかりました。

これは、アウトブレイクが既に減速している兆候である可能性がありますが、研究者は、中国の市民が学校や職場に戻り始めると、再び症例数が増加する可能性があると警告しています。

「中国のデータでは、新たに確認された症例数が減少し続けていることが示されています。」と、世界保健機関の局長であるテドロス・アドハノム・ゲブレイェサス氏は、木曜日の記者会見で述べました。

「この傾向には勇気づけられますが、まだ安心できません。」

テキサス大学オースティン校の疫学者であるローレン・アンセル・マイヤーズ氏は、ビジネス・インサイダーに対し、とある重要な統計w見ることで、アウトブレイクが自然消滅する時期が分かると述べています。

それは、1人の患者から感染すると予測される平均人数です。
疫学者は「基本再生産数」と呼び、これはウイルスの感染力を示します。

マイヤーズ氏によると、アウトブレイクが解消した場合、基本再生産数は1以下になるといいます。

「つまり、平均して、各感染者から感染する人の数が1人以下となり、そうするとアウトブレイクは消失するということです。」と、彼女は言います。

まだその段階ではありません。
武漢の入院患者140人近くをを調査した最近の研究では、コロナウイルスの基本再生産数は2.2であると推定されており、これはすなわち、平均して各患者が2人以上の他人にウイルスを伝播していることを意味します。

Journal of Travel Medicineの研究では、生殖数はこれよりもわずかに高く、約3.3でした。


<ウイルスは私たちが考えるよりも大幅に拡大している>

中国国内での日々の新規症例数は減少しているようですが、報告されていない症例がある可能性はまだ十分に存在します。

2月13日、湖北保健委員会がCTスキャンによる診断を数に入れ始めた後、1日で約14,800の新規症例が確認されるという、劇的な急増が報告されました。

しかし1週間後、湖北省は元の計算方法に戻し、CTスキャンで確認されたものの、後にコロナウイルスの検査結果が陰性であった患者は除外するようになりました。

保健専門家は、コロナウイルスがどの程度広がっているか、またはどの程度伝染性があるかを正確に特定できていません。

「症状が出るまでは、感染の有無を確定することができません。また、症状が出ていても、どのくらいの伝染力があるのかは良く分かっていません。」と、マイヤーズ氏は言います。

「両者の間に関連があると仮定すると、症状のある最初の週入院したり隔離されていなかった人が、今後の伝播において重要な機会となることは間違いありません。」

感染の拡大を抑えるため、中国は武漢のある湖北省に住む約5,000万人の封鎖w含め、国の約半分に全面的な旅行制限を課しました。

武漢の住民は、公共の場でマスクを着用し、スーパーマーケットに入る前に温度チェックを受ける必要があります。

しかし、マイヤーズ氏は、通常患者は感染していても、5日以上症状を示さない可能性があると述べました。

中国の医師は最近、家族にウイルスを感染させた可能性のある、武漢出身の無症状の女性を特定しました。

「症例の大部分が軽度、無症候性、中等度であり、病院に行くほど重症化しない場合、こうした症例は公衆衛生レーダーには届かない可能性があります。」とマイヤーズ氏は言います。

中国のCDCが実施した研究では、72,000以上の患者記録から900件未満の無症候性の症例が特定されましたが、もちろんこの研究には、病院を受診した人しか含まれていません。

また同研究ではコロナウイルス症例の約80%は軽度であることもわかりました。
つまり、患者には発熱や乾いた咳のような症状が出るものの、呼吸困難や起きたり、重度の肺感染等を発症することは稀であるということです。


<アウトブレイクを封じ込める時間はまだある>

マイヤーズ氏によると、ウイルスの感染力に関する現在の推定値は、未だ初期のデータに依存しているため、今後変更される可能性が高いといいます。

「世界保健機関が警戒を強め、症例を予防し発生した症例を検出することに尽力する中で、私たちの技術が進歩し、基本再生産数は今後低下するでしょう。」と彼女は言います。

しかし、ゲブレイェサス氏は、現時点で国はこのウイルスを「公衆の最大の敵」であるかのように扱う必要があると述べています。

「この発生を封じ込める機会はまだあります。」と、彼は木曜日に述べています。
「実際に管理可能な今こそ、ウイルスに立ち向かう時です。」

具体的には、空港でのスクリーニングや、疑わしい患者を隔離する施設の設置、医療従事者の感染を防ぐため病院への防護装備の備蓄などに資金を投入すべきであるということです。

「このウイルスは、しばらくの間存在し続けます。」と、ゲブレイェサス氏は付け加えました。

「現状あるデータに基づくと、安心できる状況だとは言えないでしょう。」と彼女は話します。

「まだ、大部分が不確実な状況で何とかやっていっている状況です。」

出典 2020年2月24日更新 Science alert『There's One Factor That Can Tell Us if The Coronavirus Outbreak Is Slowing Down』(2020年2月28日に利用)
https://www.sciencealert.com/the-basic-reproduction-number-is-one-way-to-tell-if-covid-19-is-nearly-...